内容説明
どういうわけか、日本人は文庫本のあの小さな判型が大好きである。そしてあまたある文庫本には詩、小説、評論、エッセイなどなど人類の叡知の集大成ともいうべき、古今東西の名著が集っている。各界の名うての“本読み”の達人たちが、愛してやまない著者の作品の中からベストの3冊を選び、その魅力を語りつくす。読書家を自認している方、愛読書をお探しの方、さらなる知の世界をお求めの方々必読の、偏愛的読書ガイド。
目次
井上ひさし・選/シェイクスピア
常盤新平・選/藤沢周平
大岡信・選/松尾芭蕉
大沢在昌・選/チャンドラー
村松友視・選/吉行淳之介
中村雄二郎・選/プラトン
池沢夏樹・選/吉田健一
杉森久英・選/アンリ・トロワイヤ
種村季弘・選/渋沢龍彦
川村二郎・選/泉鏡花〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
3
今この本は絶版になっているのですが、私は何回も読み直していて文庫を読む際の参考にしています。もとは毎日新聞の書評欄に掲載されていたものですが、和田誠さんの挿絵とともにいつも楽しみにしていました。150人余りの作家や読み手が一人の好みの作家を取り上げて文庫で三冊に限り推薦しています。読み開き2ページなので、サッと読めてしまい読みたいと感じが後を引きます。2012/04/28
hirayama46
2
なにしろ文庫化したのが15年前なので、単行本のことも考えると新聞連載は下手すると20年近くなるわけで、さすがに古びている部分が無きにしもあらずですが、いわゆる「文豪」の自分の知らない作品の発見には役立つかもしれません。ひとつひとつの記事が短くてさらっと読めるのと、和田誠のイラストが良い感じなのです。/しかし、当時は読めていまは版元品切れになっている本がどれくらいあるのかしら……。まあ、新しく読めるようになった本に数限りなくあるので単純に「昔はよかった」ですむことではありませんが。2012/06/27