内容説明
故郷の惑星が帝国の領地となったために、意に反して、強大なアーヴ星間帝国の貴族となったジントは、宇宙港で帝都へ向かう戦艦を待っていたのだが…そこに現れたのはひとりの少女。彼女の名はラフィールという。同じ戦艦に乗りこむ見習い士官だったが、彼女にはもう一つの身分があった。皇帝の孫娘にして帝国を継ぐ王女だったのだ。―王女とジントの冒険行を、SFマインドたっぷりに描く話題のスペースオペラ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
59
『星界』シリーズといえば、やたらルビが多い。一部の人から読みにくいという感想もあるくらい。このルビ、いわゆるアーブ語と呼ばれるもので、物語で使われる架空の言語。だから無視して読んでも、いっこうにさし使いない。物語に、どっぷりと浸かりたい読書のための、ちょっとしたサービスなのだろう(作者も、あとがきで、そういっている)。しかし、ここまで頻繁に、しかも系列だって使われると、モデルとなった言語が何語であるのかが気になる。あくまでも自論ですが、自分は、ラテン語かギリシャ語ではないかと思うのですが、いかがでしょう?2015/10/18
佐島楓
36
ジントを救出するラフィール。しかし一難去ってまた一難・・・。三巻へ。2016/04/08
こも 旧柏バカ一代
30
2人っきりでの逃避行。 地上人はアーヴの事をあまりにも知らなさすぎる。2019/11/10
マッピー
22
てっきりジントの物語なのかと思ったら、どうも今作を読む限りではラフィールが主役の話のような気がしてきました。ユーモアSFのつもりで読んでいたので、突然の、生き残りをかけた闘いの厳しさに、目が覚めた想いでした。貴族には貴族の生き方があり矜持がある。それを守るためならどんな手段を取っても…というのは、ジントよりもラフィールこそが皇帝の孫として日々突きつけられたものなのです。男爵領から脱出しても、逃げついた先は反乱軍に制圧された場所。生活様式も言葉も通貨も違う異国で、今度はジントがラフィールを守ります。2023/10/18
シタン
22
壮大な世界観の中で展開する、少年と少女の逃避行。二人の関係性にも変化が現れます。ユーモアたっぷりの会話劇が冴え渡っていて楽しい。葬儀屋はいいキャラしてる。個人的にRPGをプレイしているような感覚になる(にしては操作できるキャラが少ないが)。ささやかな戦いだが、新しい言語が出てきたり、アーヴの歴史が明かされたり、新たな勢力が出てきたりと物語は大きく動いている。登場人物が増えてにぎやかになるという次巻のクライマックスが楽しみ。 アーヴの度量衡収録。10^{-16}がペタなのはなぜなんだ。2020/09/22