ハヤカワ文庫<br> 夏と少年の短篇

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ハヤカワ文庫
夏と少年の短篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 239p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150305048
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

17歳から18歳の少年と少女にとって夏は特別の季節だ。夏の間に、少年と少女は大人への第一歩を踏み出す。初めて自らの意思で理想の異性を意識することによって。―梅雨のあいま、本格的な夏、そして晩夏。それら夏の独特の時間の中で、ほとばしる少年と少女の繊細な官能性のすべてを、さわやかに、端正に表出した片岡義男の青春小説集。「私とキャッチ・ボールをしてください」「永遠に失われた」など清冽な7篇を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ほほほ

28
短編集。10代の少年少女の夏のひとコマを切り取ったものばかり。季節はずれだったけど、愚痴をいう人なんて1人も出てこない片岡さんの本は読んでいて気持ちがいいのでそれだけで満足。独自のスタイルで現実を処理していく人たちの姿は麗しいばかり。例えば、野球をさせたくて男の子を欲しがっていた父親に対して、「男のこでなくてごめんなさいという気持ちがずっとあって、でもそれだけだといつまでたっても私としてはつらいだけ。ごめんなさい、という気持ちが続くだけだから。」と言って、野球を習う女の子。素敵~!!2014/09/30

kaoriction@感想は気まぐれに

19
片岡義男は夏に読みたくなる作家の一人だ。この作品はタイトルからして夏にはもってこい!の一冊。十代の少年少女を取り巻く夏の短編七編。彼の作品を読むと「日本語の美しさ」「美しい言葉遣い」ということを感じる。どこか日本離れしているシチュエーションでありながら、日本語の美しさが際立つ。現代の女子中高生にこそぜひ読んで欲しいが、きっと受け入れられないのかな…。会話のセンスや、独特の間。下手なハウツー本を読むなら、私は片岡義男の作品を一、ニ冊読むことを薦める。出てくる女性が美しい人ばかりなのはちょっと…だけどね。2014/07/25

強い仔馬

13
きれいで爽やかでさっぱりしていて、セッケンのような短編集だ。暑い時に読むと涼感をもたらすのでは?邪悪でなく、教訓もなく、あまり深く印象に残るわけでもないが、そこが良い。登場する女性は、端正で物静か、他人との距離の取り方がうまい、ということだが、本作自体がそんな感じだと思った。こんな本が青空文庫で読めるとはうれしいことだ。2014/06/01

kurumi

3
眩しいなぁ。肌を焦がす太陽が、海から吹く潮風が、水色が映える光を反射したプールが…少年少女の青春を色付けて、完璧なものにさせる。キャッチボールをして、海辺で夜を明かして、プールで好きなだけ泳いで、なんでもできると思わせる夏の魔力はすごいと思う。よく晴れた夏の日に、何も考えず海岸を歩いてみたい。少しセンチメンタルな気分になると思うけど。2021/08/15

masu

1
再読。淡々としていて、好き嫌いが分かれる作品だろうなーと思うけど、私は大好き。 美しい夏の日の思い出が綴られている。 片岡義男の作品に出てくる女性は、かっこいいといつも思ってしまう。2017/07/09

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