ハヤカワ文庫<br> 上弦の月を喰べる獅子〈下〉

ハヤカワ文庫
上弦の月を喰べる獅子〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 442p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150305031
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

人は、幸福せになれるのですか。野に咲く花は幸福せであろうか。―螺旋蒐集家と岩手の詩人、ふたつの孤独な魂から成る人間、アシュヴィンは、いくつもの問を胸に、果てしなく高い山を登りつづけていた。長い修羅の旅を経て、彼がその答にたどりついたとき、世界を驚嘆させるなにかが起きる…進化とは。宇宙とは。人間とは。究極の問に対する答を破天荒な構成と筆致で描きあげた、これは、天についての物語である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

83
この本が単行本で出されたときにはじめて夢枕獏という作家の名前に驚き、読んでさらに訳が分からないイメージを抱きました。今回読んでみて若干は理解できたのですが、SFとはいうもののどちらかというと輪廻転生や仏教思想を絡めた作品であるというのがよくわかりました。螺旋というものをなぜ登場させたのかも少しは理解できました。もう1回読まないとだめな感じです。2021/12/05

NAO

65
作者は、ある日「上弦の月を喰べる獅子」という題の絵を見て感銘を受け、「自分はこの絵と同じタイトルの長い長い宇宙についての物語を書かねばならない人間なのだ」と思いこんだという。こうして、なんとも密やかで、夢幻的な、進化の物語、宇宙の物語が書かれた。妖しく、哀しい物語でもある。2019/11/17

白義

16
宮沢賢治を物語の発端にした割に後半は宮沢賢治要素が少ないなあと思ったらそうではなく、仏教的な宇宙と生命の存在、進化というテーマを宮沢賢治世界における業の扱い方に混ぜてアンサーとして、それだけでなく夢枕獏お得意の伝奇バイオレンス要素も、そのイメージに飲み込まれない程度にきちんと活用して超大作に仕上げているというぶっ飛んだ小説。この手の小説は神に挑む仏に挑むと言って出さなかったり正体を高次元の宇宙人にしがちだが、とあとがきでいう通り、そうした手段を逃げ道として封じ言葉だけで神々の領域に挑もうとする気迫が伝わる2019/11/13

magic makky

9
【感想】物語は螺旋をテーマにして、双人アシュヴィンがスメールに向かいながら自分は誰なのかを考えていく。最後には獅子宮の扉の向こうに行くことができる。それは、螺旋であり進化であり輪廻であるという。物語は仏教の経典などの教えや仏教絵画をも活用しながら進んでいく。最後は混沌としているということは、この人間の世は全て混沌としていることが当たり前と言っているように感じた。ん〜ん。これまた難しい〜。2021/09/01

里馬

7
むちゃくちゃに面白かった!2017/02/20

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