内容説明
外惑星連合軍と航空宇宙軍の壮絶な闘いが終結した。外惑星連合軍にとって、はじめから勝算の見込みの薄い闘いではあったが、やはり兵士たちにとって敗れたショックは大きかった。戦後処理のため敵軍が敷設した宇宙機雷処分の命を受けたガニメデ宇宙軍所属の掃海艇CCR‐42の艇長・田沢も例にもれなかった。その田沢に対して、厳重に機雷封鎖された木星の小衛星に設置された研究所のデータ回収が言い渡されたが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジロリン
12
再読。第1次外惑星動乱後、大量に敷設された機雷を処理する掃海艇を中心に据えた連作短編集…と思いきや、外惑星連合が行っていた非人道的な実験の秘密が、次第に明らかになっていくちょっとミステリ仕立ての長編ですね。航空宇宙軍が太陽系外の展開に、本腰をいれていく続巻「終わりなき索敵」へのツナギの巻、といった趣。2016/04/10
鐵太郎
7
「航空宇宙軍史3」を読む前に再読。第一次外惑星動乱の終結後、掃海任務に就いたかつてのガニメデ宇宙軍の掃海艇CCR-42と、木星の第6衛星ヒマリアの物語を綴った5編の短編からなります。戦争後半、ヒマリアで行われた謎の実験とはいったい何だったのか。作業体Kとは何か。 ──最初にこれを読んだとき、湾岸戦争で自衛隊が出動していたのでそれに絡んだ話だったのかと思ったが、あとがきを読むとその前に書き始められたらしい。それにしても甲州節、お見事。2017/01/20
ikedama99
3
最近、航空宇宙軍の再刊もあり、また読み始めている。自分が一番最初に読んだのは、この本だったことも思い出した。連作で一つの物語になっている。読みごたえもあり、その世界に浸る楽しみもある小説。今は、一通り話は知っているだけに、また面白く読めた。完全版も出ているので、読み直してみようと思う。この世界観、好きです。2018/01/29
ikedama99
3
初めて読んだ航空宇宙軍史。ハードで残酷ででも人の姿があって・・といういい短編連作です。2012/03/04
クマー
2
長きに渡る外惑星連合軍と航空宇宙軍の戦争が集結した。戦後処理のため航空宇宙軍が敷設した宇宙機雷処分を担う元外惑星連合軍の兵士が主人公。 この時代においても、宇宙機雷の撤去は命をかけたハードな仕事なのだが、航空宇宙軍がむやみやたらと大量の機雷を撒いたため、終わりの見えない作業になっている。そんな中、木星の小衛生に設置された研究所のデータ回収を新たな任務として言い渡されたのだが・・・。 何時の時代も戦時下においては、人が人ならざぬものと化す恐れがある。2013/01/06