感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
22
私が読んだのは早川文庫版ではなかったような気がします。古書の文庫本でしたね。 豊田氏の、原子力政策に関するどうしようもない無知と誤謬等が概ね見えてきていて、あまり期待せずに読み、あぁ歴史を裏返すだけではしょうもないな、一事が万事かな、とゲンナリし、あと何冊かは読みましたが、要は下手な小説家として読むのをやめました。 まだ存命のはずですが、死んでも別に残念ではない物書きの1人です。それだけですね。 1986/09/21
梅子
1
歴史改変SFの古典。素早い展開と世界の丁寧なメタ的視座は昨今のラノベ界隈にも刺さるのでは。割と転生無双っぽいし。このジャンルではかなり珍しいと思うが、ディストピア的未来から来た主人公が歴史改変によって現在的な社会を生み出す倒錯的な内容で、しかも1970年代の安保闘争全盛期特有の白人至上主義への強烈な危機感が漂っている稀有な存在。フィクションに著者の思想が透けて見えるのが結構好きなので、私はそこそこ楽しめた。それを別にしても膨大な世界史の知識量で圧倒されるし、これを29歳で書いたとは…。すごいです。2021/11/03