内容説明
魔術が高度な専門技術とみなされている1900年代初めのロンドン。魔術師養成学院を卒業したシオニーは、金属の魔術師になりたかったのに、人気のない紙の魔術の実習を命じられた。そのうえ師匠の折り師セインは変わり者。だが気の進まない勉強を続けるうちに、彼女は紙の魔術の魅力と師匠の優しさに気づきはじめる。そんなある日、セイン師が禁断の魔術の使い手に襲撃され…!魔法きらめく歴史ファンタジイ三部作開幕。
著者等紹介
ホームバーグ,チャーリー・N.[ホームバーグ,チャーリーN.] [Holmberg,Charlie N.]
米国ユタ州に四姉妹の次女として生まれ育つ。ブリガムヤング大学で英語を専攻、副専攻として編集を学んだ。大学時代に本格的な執筆を始めた。2010年の大学卒業後、結婚、出産、子育てのかたわら書きあげたのがデビュー作となる『紙の魔術師』である。2014年に出版されるや話題を呼び、ディズニーが『紙の魔術師』とその続篇『硝子の魔術師』『真実の魔術師』の三部作の映画化権を取得した
原島文世[ハラシマフミヨ]
早稲田大学第一文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
76
魔術学校を首席で卒業したのに、望まない紙の魔術師見習いになったシオニー。謎めく師匠の過去、邪悪な魔術師との闘い、大筋は定石通りだけど、設定が面白い。硝子、金属、ゴム、プラスチックと人工素材のそれぞれに魔術師が存在する。なるほどバトルなら紙は一番弱っちいだろう。でも折り紙に命を吹き込むなんて、折り紙好きとしてはわくわくする。血なまぐさいシーンもあるけど、かわいい折り紙犬、ユーモラスな骸骨執事、色とりどりの折り紙マジックは映像で見てみたい。2020/07/13
みや
40
読書会紹介本。紙の魔術師の元で不本意ながら修行を始めた少女が禁断の魔術の使い手と闘うファンタジー。普段の私とは全く違うジャンルだが、序盤からずっと楽しかった。夢に溢れた明るい設定と始まり方なのに、主人公のシオニーは結構過酷な目に合わせられるし、人間の内面の闇を抉りだす暗い展開が続く。こんな凄い場所での冒険なんて初めて見た。それでも読後に残る作品全体の印象が『可愛い』『優しい』なのは、彼女が非常に魅力的だから。彼女をとにかく応援しながら、19歳の少女の成長物語を手に汗握って見守り続けた。続編も読みたい。2019/01/07
ゆう
36
魔術師三部作の一作目。魔術師養成学校を卒業し、金属の魔術師になりたかったシオニーが命じられた実習は紙の魔術。折り師セインの元で嫌々紙の魔術の勉強をする。紙の魔術の魅力に目覚めて色々覚えて能力開花のキラキラファンタジーになるのかなぁなんて想像してたのに、まさかの血みどろ&重めの展開が待ってた。ライラが襲撃してきたのにはびっくりしたし。その後はなかなかグロくてクッキー食べてた手が止まっちゃったよ。ディズニー映画化進行中って帯に書いてあったけどあのグロシーンはどうするんだろう。2018/03/25
しゃお
33
自身が望んでいたものとは違う進路ー紙の魔術師〈折り師〉へと進む事になったシオニーは不満タラタラだったものの、師匠となるセイン師の優しさに触れ〈折り師〉としての道を進む事に折り合いをつけはじめたかなと思えたところで一気に物語は、それまでの雰囲気が一変するような冒険活劇へ変貌を見せます。文字通り血みどろになりながら戦うシオニーの彼女の魔術師としての才能の発露は、彼女の決意と覚悟があってこそ、なのでしょう。もう少し物語の背景となるものが描かれているとより没頭できるものがあったかと思いますが、二作目以降も楽しみ。2018/03/05
ぐっち
30
紙の魔術師に弟子入りしたシオニー。魔術師はイケメンで、きゅんきゅん師弟生活の幕開けかと思ったら…。これは映像化したら面白いでしょうね~。紙の魔術は、和風ファンタジーにもありそうで、親しみが持てました。ただ、翻訳文は苦手で、シオニーとエメリーとどっちがヒロインでどっちが先生かちょいちょい混乱します。続けて次巻へ。2018/06/10