内容説明
イド卿を救出したイオナは打倒セソンに向け態勢を整える。だがイオナを自分の右腕に選び、真摯な想いをぶつけてくる皇帝カイゴと、同じ竜眼卿として力を振るいすべてを支配しようと誘惑するイドとのあいだで、イオナは翻弄されてしまう。そして繰り返し見る先祖キンラの幻影がイオナを悩ませていた。国を守るため、イオナがくだした決断とは…。竜と人の交わりを描く中華風ファンタジイ二部作完結篇。
著者等紹介
グッドマン,アリソン[グッドマン,アリソン] [Goodman,Alison]
1966年、オーストラリアのメルボルン生まれ。1998年、Singing the Dogstar Bluesでデビュー。このデビュー作と、2008年に刊行された『竜に選ばれし者イオン』でオーストラリアのSF賞であるオーリアリス賞を受賞した。現在はメルボルン大学にて創作を教えながら、夫とともに暮らしている
佐田千織[サダチオリ]
関西大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
28
二人のタイプの違う男性に迫られるあるある。そこに国のクーデターが絡んでくる。力は持っているが制御できないヒロイン危なすぎる。宦官がいたり辮髪してたりしてイメージは中国風なんだけど表紙イラストのイメージは違いますね。そしてエロい。2023/08/13
宇宙猫
23
★★ 相変わらずのイオナ混乱ぷりにうんざりしてくる。誰も信じられない環境なのだけど、”少女”てのがダメなんだろう。大人の主人公で大人向けに書いたら凄くいいファンタジーになりそう。デビュー作なので今後に期待したい作家さん。2016/07/19
あゆみ
21
★★★★☆ 「おまえは己の倫理的な線引きをしつづけ、その線を踏み越えつづけている」とイドに言われたように、イオナは自分の欲求のためなら人に対して批判した行為をイオナ自身の場合は正当化する、この性格は好きになれない。でもイオナだけに限らずこの物語の登場人物は自分の欲求や大切な人への執着が強く描かれている。そのせいでイライラする場面もあるが、イオナとカイゴ帝のジレジレな関係や予想外の展開が続く第2部はおもしろい!最後はイオナの望んだ結果となり一安心。2016/04/17
いちみ
5
★★★★☆ ついに鏡の竜と交感!という前作のクライマックスで大団円にならないのがこの作品の凄いところ。少女であることが明かされてもヒロインの困難は無くなるどころかますます増える。差し迫る危機と内面の危うさとに翻弄され何度も傷付きながら人としての誇りや信念、信頼とは何かを学習してゆく…どこまでも痛い痛い話。まぁ全体的にはいい方向で完結しますが。彼女が直面する心理的な葛藤は、実はジェンダー間の問題を示している部分もありいろいろ興味深い作品でした。おすすめ!!2016/03/27
浮草
4
力を求める勢力が身近に乱立し、自らもまた他者を跪かせる。最後の最後まで展開が読めなかった。それでも大団円。2017/10/08