内容説明
11年間を地獄で過ごし、ジェイムズ・スタークは戻ってきた―この世の地獄、ロサンゼルスへと。すべては、彼を裏切り、愛した女を殺したかつての仲間たちに復讐するためだ。だが、力を増した相手の抵抗に遭い、さらにネオナチ・グループや国土安全保障省の乱入で、スタークの復讐にはよけいな使命が課されてゆく…タフで狡猾な一匹狼の、神も恐れぬ戦いをノワールの香り豊かに描く傑作ハードボイルド・ファンタジイ。
著者等紹介
キャドリー,リチャード[キャドリー,リチャード][Kadrey,Richard]
1957年生まれ。米国カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に活動するSF・ファンタジイ作家、フリーライター、写真家。1985年に短篇“The Fire Catcher”でデビュー。妻は同じくSF・ファンタジイ作家のパット・マーフィー
川野靖子[カワノヤスコ]
熊本大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くたくた
51
これぞB級エンタメ。悪魔に天使、非天使、堕天使、人間に魔法使いが入り乱れての大混戦。あまり深く考えずに主人公スタークの絶妙な弱さとしぶとさと切なさを血の味とともに楽しむべし。これ、面白かった!映画化する時には、アリエタは4K 大写しのアップにも耐える肌のキメの細かい浮世離れした美人でお願いしたい。(『コンスタンティン』のガブリエルはちょっとお肌の劣化が残念だったので!)2021/05/27
眠る山猫屋
16
再読。コジャレた言い回しとスタイリッシュな文章が良い。過剰だけど。恋人を殺され地獄に落とされた現代の魔術師スターク。11年を経て現世に返り咲いた彼の復讐劇。メチャ強いはずなのに、ドラえもんばりに魔法のアイテム持ってるのに、絶妙に弱いような・・・。天使や悪魔が入り乱れる乱戦の中、口の減らないスタークは中々格好いい。漫画のコブラを彷彿させるかな。作者の日本贔屓も相まって、楽しい物語だった。だがしかし!何処へ行ったんだセーラームーン(のコスプレ魔女)!なんで皆“サンドマンスリム”って彼を呼ぶんだ?2016/08/21
彬
8
B級映画のような疾走感とはちゃめちゃ感が楽しかった。天使、悪魔、錬金術などなど…これでもかってほど西洋的ファンタジー要素がふんだんに用いられているのに悪い安さになってないのはすごい。主人公スタークの良くも悪くもある無茶苦茶さ、彼を助ける人、狙う人の生き生きとした様子、そしてなぜかふんだんなポップカルチャー。真実のコインとかぜひ欲しい。予定は未定だけど続編は出るそうなので首を長くして待とうかと思う。早く出ないかな2011/11/11
ふぁぞむ
6
素直に楽しい。天国に地獄、魔法とティーンエイジャー向けみたいなガジェエットをこれでもかと散りばめておきながら、主人公をひねくれた大の大人にすることでB級感がたっぷりの映画のノベライズを読んでいる感覚になる。ニヤニヤしながら読むのがイイのです。2010/05/06
すけきよ
5
アメコミとメガテンを混ぜて、タランティーノで味付けした感じ。つまり、好みってことですよ(笑)主人公がやたら強くて、ホントにコミック的。スタークって名前だけどゴーストライダー(笑)とは言うものの、絶賛するのは躊躇われる。世界の破滅を掛けてる割には色々と安っぽい。まぁ、これが魅力とも言えるけど、B級感を売りにするなら、都市伝説的オカルト論とか、映画ネタをもっと過剰にやって欲しいかなぁ。ところで、サンドマン・スリムってなに?2009/12/03