ハヤカワ文庫<br> 黒龍とお茶を

ハヤカワ文庫
黒龍とお茶を

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150201135
  • NDC分類 933

内容説明

娘のリズからの突然の電話。どうやら何かやっかい事に巻き込まれたらしい。母親のマーサは娘の窮状を救うため、はるばるニューヨークからサン・フランシスコへとやって来た。だが、リズの姿はどこにも見あたらない。娘の身にいったい何が起きたのか。不安を胸に娘を捜すマーサの前に一人の中国人が現われた。名をロングというこの初老の男、実は自分は太古の龍の化身だと言うのだが…。〈魔法の歌〉三部作で知られるマカヴォイが、奇妙な初老のカップルをシャレた会話とユーモアあふれる筆致でほのぼのと描いたモダン・ファンタジイの秀作。J・キャンベル新人賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

里愛乍

29
キュートで上品を絵に描いたようなマーサと典型的ともいえるダンディな紳士の初老カップルのお洒落なお話かと思いきや、ハラハラドキドキのサスペンスへ一気に展開。かなり物騒でやばい状態に陥る場面の連続なのに、この文面から湧き出てくる優美というか雅感は何なんでしょう。二人と同じく最後まで気品にあふれた小説だったと思います。何といってもロング氏の魅力が堪らない。続編が読めることを切に願うばかりです。2014/12/09

かず1号

7
いつか読み直したい読み心地の良い本。続編があるはずなのだが未翻訳?2019/11/22

Radwynn

7
事件は暴力を伴うゲスな陰謀未満の犯罪なのに、物語の、この上品さ、上質さ。ひとつには、解説にある通り、この物語がある意味、貴種流離譚であるから、なのかもしれない。そして、登場人物達の知性に溢れる会話のユーモラスさにも、その負うところは大きいと思う。本作のように日常に紛れ込む異界(あるいは異種)というシチュエーションは、現実密着型とか侵入型と呼ばれるタイプのファンタジィなのだそうです。本作で"ファンタジィ"の部分を担うのは、昔は龍だったという素敵な東洋系のおじさまただひとりだけ…さて、真実は…?2012/01/23

ゆみはり

4
龍の表紙が可愛らしく、シャレたファンタジィということだったので、ファンタジィ一色だと思いきや、最後までファンタジィだという感じがしなかった(良い意味で)。どちらかというと、ミステリィなのでは?マーサとロング氏のやり取りの哲学的な感じが好き。次はぜひ烏龍茶を片手に読みたい。続編が訳されていないようだけれど、辞書を引きながら読もうかな。2016/07/09

めにい

3
10年以上しまいこんでいた本の再読。ホテルでの会話の印象でずっと哲学的な話が続く物語だと思っていた。こんなに活劇的だったとは!!続編があるはずだけど、翻訳されていない。PC技術の発達と共に、時代遅れとなってしまった物語は、もう再販もされないのでしょうね。いい話なのに残念。そういえばこの著者の世界のレンズシリーズも3巻目が翻訳されていないまま放置されていた。ずっと待っていたのに・・・2010/10/01

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