感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
TSUBASA
21
<モーの国>では必要なものは全て木に成るし、人々は死なないし、我々の世界からみたら驚きばかり。そんな国の事件を集めたお話。『オズの魔法使い』のボームの処女作との事。ファンタジーってあんまり読んでなかったけど、童心に帰ってワクワクしながら読んで楽しめた。が、可愛らしいと思って油断していると、登場人物が四肢をバラバラにされたり(でも生きてる!)、猿の国で飼われたり、意外と残酷さを覗かせる。こんなナンセンスさ、私は嫌いじゃないです。『オズ』の原点となるキャラクターや着想も散見されるとか。『オズ』も読まなきゃな。2016/11/23
mizuha
15
1903年に発表されたボームの処女作。解説によると、紆余曲折はあるものの、紛れもない処女作らしい。登場するのは、お菓子の国に住む貧困や死とは無縁の人々。だからペシャンコに潰されても、足の親指を盗られても、何とかして元に戻せるのだ。”オズ”とリンクするキャラクターもいて、なる程”オズ”の原形なのだと思って楽しかった。2015/10/30
マッキー
12
すべてお菓子でできた世界で登場人物たちが敵を倒したりドタバタ劇を繰り広げる話。ポップでキュートでどこかクレイジーな展開がよかった。2015/11/14
SAT(M)
9
読友さんからのプレゼント本。お菓子も自転車も武器も何でも木から収穫でき、住人が何一つモノに不自由しない「モーの谷」、というのはモノで溢れているにも関わらず、不自由を強いられる貧困者を生じさせてしまう近代社会へのアンチテーゼで…。などという小理屈はこの作品には似合いませんね。王様や王子などが主人公的存在となっていますが、そこに陰湿な風刺などはなく、時に首をもがれ、時にぺちゃんこになりといったように「トムとジェリー」を髣髴とさせるドタバタ劇を演じています。読書で童心に帰れたのは久しぶりだなぁ。2016/12/30
北風
8
オズの国がここにあるー。オズの魔法使いは、自分の読書の原点。とはいえ、ボームの他の作品は読んだことが無いので、かなり興味がありました。著者の処女作と言うことで、オズの原点が感じられて嬉しかった。あとがきを読むと、実はオズの国とモーの谷にちょっとしたつながりがあるみたいで、オズを制覇していないので、ちょっと気にな。まあ、毎回びっくりびっくりしつこくて、最後の方はびっくりしなくなったけど。2017/02/18