出版社内容情報
1899年、北京発モスクワ行きの列車に乗りこんだ偽名の女マリヤ。異形の〈荒れ地〉と化したシベリアで列車に謎の少女が現れるが!?
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ポテンヒット
5
父の汚名を晴らそうと偽名を使って乗り込むマリヤ。列車で生まれ育ったウェイウェイ、いつの間にか列車に紛れ込んだ謎の少女など様々な思惑を持った乗客や乗務員を乗せて〈荒れ地〉と化したシベリアを横断する列車。SF調のミステリーかと読み始めたら、後半からファンタジーに。本書での〈変化〉は、連日ニュースで目にする熊の騒動を思い起こした。熊は出て来ないし、関連はないのだけれど。2025/11/09
ぷくらむくら
4
イメージはちょっと諸星大二郎。後半の「荒れ地」が列車に侵蝕する描写がともかく美しい。2025/10/27
くろうさぎ
0
めくるめく色彩乱舞する世界、圧倒的な読後感のスチームパンクSFです。列車の閉鎖空間と外部の「荒れ地」という設定は、レムやプリーストを思わせます。でも一番近いのは解説者の牧さんも挙げているヴァンダミア『全滅領域』です。「荒れ地」を疾走する蒸気機関車が出て来ますが、もっと細部をカッコよく描写して欲しかったと思いました。ストーリーは文句なく面白いです。2025/11/01
rincororin09
0
3泊4日の海外出張で一気に読了。僕の旅はこの物語のような波乱に満ちたものではなかったけれども…。 解説にもあったとおり、ジャンル横断的な物語でしたね。まずはヘヴィな蒸気機関車が出てきてサイバーパンク来たなぁと思ったら、密室系の謎解きミステリーでもあり、荒地の少女がキーマンになって異世界系のファンタジーでもあり…。 冷静に考えると全然違うのだが、ちょっと謎のある列車長のイメージがなぜか「999」の車掌さんと重なって仕方がなかった…。2025/10/27
sugsyu
0
異界と化した荒野を突っ切るシベリア鉄道!群像劇の要素が濃く、列車内で生まれ育った「列車の子」たるヒロイン始め、閉鎖空間で錯綜する人間模様に読み味がある。ただ、そのせいで肝心の「異界」の描写が薄目なのは失点で、あと2倍ページを増やしてその辺りを埋めてくれていたら、結末の展開にももっと説得力が出たのではないか。題名から「殲滅領域」的方向性を予測していたので、思い切り楽観的な結末には意外性はあったが。2025/10/10




