内容説明
巨大な空間災害に遭った放浪者の李約素は、天垂星の防衛部隊を率いる軍人の古力特に救助された。回復した李約素は、凍結から蘇生した記憶喪失の青年佳上、傭兵の天狼7ともに星間文明の強大勢力“雷電ファミリー”の依頼をうけ、巨大戦艦平准号を探すはめになる。いっぽう古力特は、謎の暗黒勢力が次々に送り込んでくる空間発生器・黒変球から天垂星を防衛していたが!?中国SF作家江波が放つ、宇宙SFの傑作三部作第一部。
著者等紹介
江波[コウハ]
1978年、中国生まれ。2003年に精華大学微電子(マイクロエレクトロニクス)専攻を卒業すると同時に、短篇「最後的遊戯(原題)」でデビュー。長篇デビュー作でもある本作『銀河之心1 天垂星防衛』にはじまるスペースオペラ、“銀河之心”シリーズは2012年に刊行開始、第二部『暗黒深淵(原題)』(2013)、第三部『逐影追光(原題)』(2016)で完結。完結篇の『逐影追光』は、翌年、中国SF最高の賞である銀河賞の最優秀長篇小説部門を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イツキ
6
主人公が定期的に大局を見ずに名誉の戦死をしようとするのに若干辟易しましたがそれ以外は特に気になるところもなく、非常に面白いSFでした。圧倒的なエイリアンの艦隊と人類の連合軍による艦隊戦は大迫力で誰もが自分の命を未来のために擲って戦う様子が印象的でした。敵の正体に繋がりそうな情報も多少出ましたし、次は援軍を求めて人類の発祥の地へ向かうという展開で続きが楽しみです。2025/02/03
外道皇帝
4
上下巻まとめて。中国のスペオペ、中華宇宙冒険活劇。人類のいる宇宙に別の次元?の宇宙からの侵略者と戦う戦争もの。と書くとありきたりなんだけど、訳がいいので中国らしさが感じられて良い。第二部が楽しみです。2025/05/20
女神の巡礼者
4
上巻に続いて下巻も時間の許すかぎり一気読みでした。上巻で抱いた期待を裏切らないどころか、想像を遥かに凌駕する超絶の展開が待っていました。21世紀のスペースオペラとして、とんでもない遠未来の銀河世界とテクノロジーを背景にしたミリタリーSFでありながら、『スターウルフ』から変わらない血わき肉踊る冒険譚でもあります。しかし、宇宙の外から侵入してくる強大な敵は、まだ謎に包まれていて興味が尽きません。しかし、問題は本作が3部作ということ。私の寿命が尽きる前に読めるのでしょうか。翻訳のお三方頑張ってくださいませ。2025/01/19
春風
3
主人公の性格など、どこか武侠小説風の中華スペースオペラ。展開はわりと粗削りで唐突な展開も。「俺たちの戦いはこれからだ!」はギャグなのか。2025/01/22
すいか
2
上下巻まとめての感想。訳者あとがきにもあるように中国で人気と言われる銀英伝の影響がうかがえる架空宇宙戦記だが、宇宙観には圧倒的な奥行きと立体感があるし、ストーリーも面白い。訳文が意識的に漢字表現を残しているというのもあって、閥族支配を基礎とする社会体制や、キャラクターの描写(訳アリ中年と若いエリートのW主人公とか)など、全体的に中国時代劇の香りが高い。何万年単位での時間の流れが割と普通に扱われている辺りも中国らしいというか。相対性理論は中国思想と相性がいいのかもというのは雑過ぎかな。続巻が楽しみ過ぎます。2025/06/04