内容説明
新任大使としてテイクスカラアン帝国に着任したマヒートは、案内役のスリー・シーグラスとともに前任大使イスカンダーの死の謎を追う。だが調査を進めるうち現皇帝の後継者争いにまつわる陰謀が浮かび上がり、街中で爆破テロ事件が勃発、激しいデモも発生し治安は悪化の一途を辿りはじめる。ついにはマヒート自身の命も狙われて…銀河帝国を蝕んでいく謀略の行方は?激賞を浴びた絢爛たる宮廷陰謀劇。
著者等紹介
マーティーン,アーカディ[マーティーン,アーカディ] [Martine,Arkady]
1985年、ニューヨーク生まれ。ラトガーズ大学でビザンツ帝国史の博士号を取得後、メリーランド大学で都市計画の修士号を取得。2012年に短篇“Lace Downstairs”でデビュー。短篇の執筆を重ね、2019年に『帝国という名の記憶』で長篇デビュー、2020年度のヒューゴー賞長篇部門を受賞した。続篇のA Desolation Called Peace(2021)も刊行された。現在は、ニューメキシコ州のエネルギー問題に関する政策アドバイザーとして、気候変動の緩和などに取り組んでいる
内田昌之[ウチダマサユキ]
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
26
★★★★ 回りくどい文章に-で差し込まれる注釈、詩による表現など非常に読みにくい。英語だと綺麗な文章なのかな。皇帝の座をめぐる権力闘争とステーションの地位を守る策略に知識もなく巻き込まれた大使が決断し問題を解決していく様は面白かった。でも、最後のいちゃいちゃはいらなかったよ。D2021/11/15
fukumasagami
25
帝国に派遣されたルスエルステーションの大使マヒート。自国のステーションに帝国が進軍する最中、帝国にクーデターが勃発、知られざるエイリアンの脅威を切り札に失脚寸前の皇帝に交渉を挑む彼女。そしてー。2021/09/12
もち
22
「人間はあふれんばかりの美しさを手に入れられるということだ」◆腹を探り合いながらも、手を結んだ大使と葦と花弁。危機を脱する手段は、故郷からの解読できない手紙に秘されていた。大使は命すら天秤にかけ、帝国の論理を利用した、最後の謀略を仕掛ける――■オールタイムベスト級のSFサスペンスだ。個性塗れの曲者のコンゲーム、世界観を活かした解決が冴えるミステリ、妖しく揺れ動くバディもの、記憶が交錯する多重人格もの、無謀で一途で清冽な恋愛小説。それら全ての面白さを併せ持つ傑作。2021/08/21
鐵太郎
19
ようやく見えてきた陰謀の全貌。その焦点に立ってしまったマヒート・ドスマーレ。なんとか前大使イスカンダーのイマゴを手に入れることができたものの、そこで知ったイスカンダーと皇帝シックス・ダイレクション、皇帝の側近ナインティーン・アッズらとの関係は混乱を増すばかり。帝国の後継者に関わる陰謀が実力行使に発展する中で、皇帝が誰を後継者にしようとしていたのかがあらわになります。これは「サイティーン」世界みたいだ、と思ったら、作者はC・J・チェリイに影響を受けて書いたらしいとあとがきに。なるほど、これは面白いSFだ。2022/02/17
アラム
16
銀河帝国は玲瓏たる美しさと花の匂いを纏う。非人間的な大国の宮廷陰謀劇はこうでなくては。連続した記憶を残すイマゴマシンを巡る帝国の企みは、どこか物悲しい。作品としては造語が多く読みづらい面もあるものの、最後にはそれも心地よい。分かりづらいから逆に結構覚えているもん。評価はつけづらいが、タイトルが秀逸という感じはする。どこかアン・レッキーのシリーズっぽいなあ、と思ってたら解説でも指摘されていたのでなるほど一安心。2022/05/29
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