出版社内容情報
絶滅させられた"人類"の生き残りのサーヤは、賞金稼ぎに狙われ、盗船で宇宙に旅立った。そして人類滅亡の謎を解くことに……
内容説明
ありとあらゆる種属がひしめく広大なネットワーク宇宙。その片隅の軌道ステーションで、ウィドウ類の元殺し屋の母親と暮らすサーヤには秘密があった。宇宙種属にもっとも憎まれ、絶滅させられた「人類」の生き残りだったのだ。この秘密のため、彼女はネットワークに必須のインプラント手術を受けられず、まともに仕事も探せない。だが、そのサーヤの正体を知る集合精神オブザーバー類が突然、現われた!新時代冒険SF。
著者等紹介
ジョーダン,ザック[ジョーダン,ザック] [Jordan,Zack]
『最終人類』がデビュー作となる作家。大学で芸術や音楽などを学び、World of TanksやF.E.A.R.などのゲーム制作に携わってきた。インディーズゲームや音楽も発表している。過去に米国連邦緊急事態管理庁、陸軍、国防総省のプロジェクトに参加したこともある。シカゴに妻と二人の娘と暮らす
中原尚哉[ナカハラナオヤ]
1964年生、1987年東京都立大学人文学部英米文学科卒、英米文学翻訳家、訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
62
人類は滅亡しました。同種族に対しても思想や宗教、色の違い、ましてや性別ですら差別の対象とする人類が異種族といさかいを起こさない訳もなく、ネットワークと云うカーストを持つこの世界と闘い、その存在を抹消されたようだ。そしてここに1人の少女が在る。その出自を隠してウィドウ類の母に護られて…殺戮マシンのごとき母が醜い人類の娘に母性本能を揺さぶられる様は感動的である。母の外肢を離れて旅立つ彼女の行く末や如何に!?2021/05/07
わたなべよしお
18
面白そうなので手にしたが、なかなか。今のところ悪くない。設定も凝っているし、様々な知性体もまあユニークだ。テンポがやや遅いけど、下巻に期待します。2021/03/19
アルビレオ@海峡の街
14
あっという間に上巻を読み終えた。宇宙が高度にネットワーク化された世界。人類最後の生き残り「娘のサーヤ」。雑多な異種族や知性体がひしめくウォーター・ステーションで、どういう訳か殺戮兵器のようなウィドウ類の母シェンヤと暮らしていたが、人類であるがためにトラブルに巻き込まれ故郷を失うことになる…。母シェンヤの異形の姿からは想像できない優しさと、娘を想う気持ちが印象に残る。そのままPIXARあたりでフルCG映画化できそう。著者によるコミックも紹介されているのでぜひ↓2021/06/19
本の蟲
11
期待大。10億以上の星系をつなぎ、140万以上もの知的種族が加入しているネットワーク銀河。殺し屋だったウィドウ類の母に育てられたスパール類の養子サーヤ。しかし彼女の本当の種族は、宇宙全ての種族に恨まれ、絶滅させられたはずの「人類」だった。ある日、集合精神オブザーバー類の接触により秘密がばれ、同時に住んでいた軌道ステーションに壊滅的事故が起こる…。おもしろいのは宇宙の知的階層構造。一層ごとにおよそ12倍。上位階層が低階層の種族を操り、働かせるのは簡単で、多くの法定外知性が雑用でネットワークを支えている。(続2021/04/11
ノベツ
10
宇宙中の知的生物が仲良くやってる世界で、人類だけはタブー扱いされており、その理由がなかなか明らかにならないまま、実は人類の主人公(身分を偽って暮らしてる)がトラブルに巻き込まれてゆくライトなSF。もう毎ページ続きが気になって気になって一気読みしてしまった。主人公の母は、刃のような8本の肢をもつ生物なのに母性にあふれ、主人公のために戦う姿にぐっとくる。上巻は完全に彼女の物語。はたして下巻はどうなってゆくのか、楽しみしかない。2021/06/10