出版社内容情報
いじめられっ子の少女にある日突然、絵文字だけの謎のメールが届く表題作など8篇を収録する単行本『生まれ変わり』二分冊第二巻
内容説明
大好きなパパが亡くなり、マディーとママは新しい土地に引っ越してきた。学校でいじめっ子に目をつけられたマディーは、毎日悲しみと不安に傷つきながら過ごしていた。そんなある日彼女のノートパソコンに、絵文字だけの謎のチャットが届いて…。表題作ほか謎の尼僧に見出されて殺し屋として生きることになった唐の将軍の娘の物語「隠娘」など、第三短篇集である単行本『生まれ変わり』から8篇を収録した珠玉の短篇集。
著者等紹介
ケンリュウ[ケンリュウ]
1976年、中華人民共和国甘粛省生まれ。弁護士、プログラマーとしての顔も持つ。2002年、短篇「カルタゴの薔薇」でデビュー。2011年に発表した短篇「紙の動物園」で、ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝く。その後も精力的に短篇を発表するかたわら、中国SFの翻訳も積極的におこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
77
8話の短編のうち4話は『人間と人間以後の存在』について描かれたもの。体を持たずAIの中に存在する人間を創り出す未来が本当にやってくるかもしれません。人は想像したことを実現しようとするようにできているみたいですから。でも、1話目にあった『体は知性を持つ、~略~ 生きている意味を心よりもうまく表現する方法を知っている』という文がきっと答えだと思います。その体を極限まで鍛えて世界と世界の裂け目にまで入り込めるようになった「隠嬢」のように、昔の中国を幻想的に描いた作品の方が好きです。ちょっともの足りない1冊でした2021/02/27
ひさか
24
2019年2月新☆ハヤカワ・SFシリーズ刊の生まれ変わりを2分冊した2冊目として、2021年2月ハヤカワSF文庫刊。1冊目より楽しめた。カルタゴの薔薇と神々シリーズ3編が良い。電脳空間に存在する人と現実世界の話は出尽くした感があったが、ケン・リュウにかかると全く異なった驚きを伝えてくれる。隠娘は、スーパーヒロイン的な要素があり楽しい。映像化の話があるそうだが楽しみ。ビザンチン・エンパシーは過剰な説明で世界構築に挑戦していて、面白く興味深い。2021/03/31
rosetta
20
絵文字を使ったタイトル作に見覚えがあるような気がしたが、やはり第三短編集『生まれ変わり』を親本としていた。改めて読む必要はなかった。今回読み直して翻訳の酷さを感じた。まるでカントでも読んでいるみたいだった。コンピュータの知識についていけないだけでなく、翻訳の拙さも理解を阻害する原因だった。2021/05/21
こつ
17
神々〜シリーズのターミネーターのようなマトリックスのような展開がわくわくしました。マギーとその妹は体のあるなしで隔てられていて、お互い限りなく近い立場にはなれる可能性があって、どちらも自分の立場のほうがいいと思っているのがどうしようもない絶望な気がしますがそれもサラッと描かれているのがいいです。2021/07/13
アドソ
16
ケン・リュウの文庫版6冊目。5冊目の『生まれ変わり』とは打って変わってアジア色の強い作品を集めたか。今回も近未来的デジタルSF満載。『カルタゴの薔薇』に続く『神々は~』三部作はサマーウォーズ的なドタバタ感もありつつちょっと切ない。切なさといえば『ゴースト・デイズ』。が、やはり『闇に響くこだま』と『隠嬢』が格別。こういうの好きだわ。『ビザンチン・エンパシー』はリアルなVRを除けば現在すでに起こっている問題について書かれているのでは?と思ったり。2021/04/13
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