出版社内容情報
『世界の中心で愛を叫んだけもの』著者の奇才
が企画編集しSF界に一大旋風を巻き起こした
描きおろしSFアンソロジー、全3巻連続刊行
内容説明
アメリカSF界最高のカリスマ作家ハーラン・エリスンが、既存の英米SF界に一石を投じるべく企画編集し全作品に自ら紹介文を付した計33篇収録の伝説的巨大アンソロジーがついに刊行!本書はアシモフのまえがきとエリスンの序文から、デル・レイ、シルヴァーバーグ、F・ポール、ファーマー、ディフォード、ブロック、エリスン、オールディスまでの“危険な”ヴィジョン8篇を収録した3分冊の第1巻。
著者等紹介
エリスン,ハーラン[エリスン,ハーラン] [Ellison,Harlan]
1934年、オハイオ州生まれ。10代後半からSFに興味をもつ。1956年インフィニティ誌に短篇が掲載されたのを皮切りに多数の作品を発表、全作書き下ろしの巨大アンソロジーである『危険なヴィジョン』(1967)を編纂して、アメリカSF界を代表する存在となった。作家としてばかりでなく、批評家・TV番組のシナリオライターとしても活躍。独特のスピード感あふれる文体でアメリカSF界きっての鬼才と称されるエリスンの作品は、数多くのヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞している。2018年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
94
SF界きっての鋭才児、エリスンが当時の生ぬるくなったSFへ殴り込みを掛けるべく、編纂されたアンソロジー。初っ端からの「夕べの祈り」からもう、強烈。てっきり、追っ手は異星人やアンドロイドかと思いきや、「そっち」だったの!?「蠅」は実験のために精神はサイコパスにされた挙句に今度は繊細すぎるように改造されて人間界に放り込まれるって地獄過ぎるでしょう・・・。「火星人が来た日の翌日」は人類の火星人への「こう言われても当たり前」というような比喩に居心地が悪くなる。その上で執筆された時代背景を知ると、確かにこれは寓話だ2019/08/25
sin
59
正確に云うと30年ぶりの再読…アシモフが“まえがき その2”で表現した様にまさしく「この本はハーラン・エリスンである。」作品の提供者たちは明らかにエリスンを意識し、またエリスンに侵食されたとおぼしい荒々しさを纏わせた小説を提供している。中には最早意味不明の一歩手前(スタイルと戯言の境界線)にまで陥った長文すら現出する(否!これこそ唯一彼に毒されることなく彼自身に宛てたアンチテーゼ)、いずれにしてもこのヴィジョンは寄稿者たちにとって実験的であると同時に成果でもある稀有な体験であっただろう事が推測される。2019/07/04
ヘラジカ
47
クラークの序文だけでSFファンは飯が何杯かいけるのではないか。エリスンとクラークによる出会いの話はあまりにも有名だが、当事者の目線で語られるとエッセイのような面白さがある。エリスンの序文で挙げられたアイン・ランドの作品は、なんと今月『アンセム』という題名(この本では頌歌と訳されていた)で邦訳が発売されている(というかこの感想を書いている本日届いた)。素晴らしいタイミング。気づいた自分もナイス。内容はというと思ったよりも収録作大半が読みやすい。例外は一作のみと言って良いだろう。2019/06/07
kokada_jnet
36
ハヤカワ文庫で続けて出た、エリスンの短編集が好評だったので、このアンソロジーも復活したようだ。各巻の解説は、高橋良平、若島正、柳下毅一郎。新訳・改訳の短編は、山形浩生、酒井昭伸、大森望らが担当していて。実に日本側も最強メンバー。2019/09/12
ニミッツクラス
32
19年(令和元年)の税抜1200円の青背初版。83年に頓挫した分冊版翻訳の再挑戦版の初巻。米67年当時に全作書下ろしで編んだ、エリスンにしか成せない鳥肌物(当時)のアンソ。シルヴァーバーグはエグいが、のちの死生観漂う作品の踏み台とも言える。ファーマーの中編は新訳で、十八番の下ネタは無い。前半意味不明で後半で日本語になるがやはり意味不明。犯罪・ミステリ畑のディフォードは現在でも珍重。ブロックと編者エリスンの作品は“切り裂きジャック”をネタにした連作。オールディスの“時間漏れ”は着想が面白い。★★★★☆☆2023/01/30
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