出版社内容情報
未来の宇宙戦を迫真の筆致で描き、ヒューゴー賞に輝いたミリタリーSFの原点、ここに
内容説明
恐るべき破壊力を秘めたパワードスーツを着用して、目的の惑星へと宇宙空間から降下、奇襲攻撃をかける機動歩兵。地球連邦軍に志願したジョニーが配属されたのは、この宇宙最強の部隊だった。肉体的にも精神的にも過酷な訓練や異星人との戦いの日々を通して、ジョニーは第一級の兵士へと成長していくが…。ミリタリーSFの原点ここに。映画・アニメ界にも多大な影響をもたらした、巨匠ハインラインのヒューゴー賞受賞作。
著者等紹介
内田昌之[ウチダマサユキ]
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
78
SF作家/ミュージシャンの難波弘之さんのワークを辿るとSFと音楽の幸福な接点に出会う事になりますが、そのうちの一つにOVA「宇宙の戦士」のサウンドトラックがあります。その後DVD化されておらず入手が困難ですが...。「宇宙の戦士」が書かれた当時、ベトナム戦争の影響下にあり、この作品も異星人を反米勢力と読み解くのも、仕方がない情勢の中で、かなり批判的な意見も多かったといいます。改めて読んでみると「我々に異星を侵略する資格があるか?」と問う場面に遭遇し、ミリタリー色が強いが左程右傾化してない印象を受けました。2020/03/02
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75
???+☆☆。面白かった。特に主人公の訓練時代の方は勉強にもなった。ただ、新訳版でも外国人作家の独特な遠回しのモノの言い方やクドいくらいの比喩表現は基本的には変わらないので、正直何言ってるのか、さっぱり解らない箇所も多々あった。特にクライマックスのクレーターやバグの巣窟のシーンはどうなってるのかチンプンカンプンだった。でも、読み応えは充分。読めて良かったと思いました。(⌒▽⌒)v♬2015/11/20
催涙雨
71
この新訳は何かと評判が悪いみたいだがそれはあくまで旧訳に思い入れのある人がそれと比較して、という意味合いが強いらしくわたしのように初めて読むぶんにはほとんど問題にならないものだった。作品の内容そのものは好きなのだが、特に序盤に顕著である軍隊的な縦社会に対しては(というかこの作品に散見する思想的な面のほとんどを通して)基本的にまったく感銘を受けなかった。他にも選択肢があるなかで特に辛いものをすすんで選ぶことを美徳とする“苦労は買ってでもしろ”とでもいうようや旧弊的な精神やそれをより強いものにする組織、重い罰2019/04/14
goro@the_booby
67
再読。これは宇宙という舞台を借りた兵士の物語。半分以上は訓練で敵であるクモ達との戦いは少ない。好き嫌いがはっきり分かれる作品ではあるが、守るためには闘わなければならない時がくるのだろう。もしそんな時、周りの仲間には同じ試練をくぐり抜けてきた者であって欲しい。また映画も観たくなった。2021/03/21
詩 音像(utaotozo)
56
茫漠たる邦題。原題「STARSHIP TROOPERS」を直訳すると「恒星船騎兵団」。天翔る騎兵は馬ならぬパワードスーツで武装した「機動歩兵」。そのガジェットの魅力が作品の看板。真のテーマが、若者の目を通し描かれる作者が理想とする国家と軍隊のあり方、それを支えるべき輝ける理想の若者。仔犬と少年犯罪のくだりは単純化のきらいはあるも今なお深く考えさせられる。新訳歓迎、語りの一人称は「ぼく」が相応しい。一方、パワードスーツ解説文の二人称が旧訳同様「きみ」なのは「総称的に人は誰でも」の扱いで、主語を省くべきかも。2017/05/07