出版社内容情報
アポロ計画に先行して月への有人宇宙飛行を描いた、巨匠クラークの記念すべき第一長篇
内容説明
人類は大いなる一歩を踏み出そうとしていた。遥かなる大地オーストラリアに建設された基地から、宇宙船“プロメテウス”が月に向けて発射されるのだ。この巨大プロジェクトには世界中から最先端の科学者が参画し、英知が結集された。そしてついに、全クルーの搭乗が完了し、発射に向けてカウントダウンが始まった…。アポロ計画に先行して月面着陸ミッションを描いた、巨匠クラークの記念すべき第一長篇。待望の新訳版。
著者等紹介
中村融[ナカムラトオル]
1960年生、1984年中央大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぜんこう
24
人類が月に行く話を1951年時点でこれだけ詳細に書いてあることに驚きます・・・クラークさんやから当然といえば当然ですけど。ただ、原子力ラムジェットエンジンなんて地上から放射能を噴出していくのは困るけど。この本の面白いのは、実際の飛行や月面着陸は記載されてないこと。ちょっとがっかりしたけど、それ無しにこれだけの話を書けるんですね。途中からの舞台となるオーストラリアのルナ・シティが、アボリジニーがウーメラと呼んでいたあたり。ウーメラといえば探査機はやぶさがカプセルを落下させた場所。そういうのにも感動(^^)2017/05/25
roughfractus02
12
人類の宇宙進出の「序曲」として人類が月面に立つという目標を1951年に物語化した本書には、第二次大戦の教訓から人種や国境を排し、文明が進歩する未来を宇宙に投影するビジョンがある。その一方には、物理学的原子を個に、ダーウィニズム的な進化を歴史に投影する人間至上主義的な楽観主義があるのだが、他方には、その考えを疑う「なぜ月に向かうのか」という問いも物語内に何度か見出される。IT管理された現代を生きる読者なら、人類の知の進歩の先にコンピュータHALが管理する『2001年』のデータ至上主義的未来を予感するだろう。2023/09/10
イツキ
11
ロケットを飛ばしたい、宇宙へ行きたい、純粋に技術を突き詰めるのが好きと目的は様々な人たちが惑星間ロケットという一つの目標に向かって協力しながら進んでいくお仕事小説といった印象でした。一つの事に熱中し自分の仕事に打ち込んでいる人たちの熱意と情熱がとても印象的で、また宇宙というものへのロマンや憧れといったものが詰まっているように感じました。2020/06/30
かず1号
9
読書メーターでの読破1000冊目!! 読書原体験ということでSFを選択。やや平坦で推進力に原子力を使うという違和感ありの内容だけど、あのクラーク博士の啓蒙的初長編ということで1951年に書かれたものなので仕方ないかな。だってガガーリンが「地球は青かった」と言った10年前に書かれたのだからね。2018/01/30
キーチ@灯れ松明の火
7
「クラークの三法則」を知り、興味を持ち購読。この本がロケットが打ち上げられる前に書かれたことに刮目。2016/03/06
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- 和書
- 偽られた大王の系譜