出版社内容情報
外宇宙で生を受けたマニーは、地球に帰還。謎の少女ジーナと出会い、覚醒していく……
内容説明
辺境の惑星で処女懐胎したライビス・ロミーは、聖なるものの導きで邪悪なゾーンに覆われた地球へ向かう。だが、帰還中に事故が発生。その息子エマニュエルのみが記憶を失った状態で生き残った。地球に到着後、特殊学校で少女ジーナと出会ったエマニュエルは、彼女との関わりから、世界のあり方、自らの役割に覚醒していく。ディック自身の神秘体験をもとに書かれた『ヴァリス』の世界観を展開させた三部作新訳版・第二弾。
著者等紹介
山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年生、東京大学大学院工学系研究科都市工学科修士課程修了。翻訳家・評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おにく
20
前作ヴァリスはディック自身が体験した宗教的啓示を興奮冷めやらぬまま文章にしたような内容で、これを「ディックの真骨頂!」という人もいれば「難解で意味が分からない。」とも言われる問題作でした。この“聖なる侵入”は、宗教思想が設定に生かされていて、グノーシス主義の「人間が争いを起こすのは地球の神が不完全だから。」という教義を彷彿とさせる「事故で脳に障害を持って産まれた少年(不完全な神)」の設定がとっても良いですね。もっと地球規模の壮大な闘いを期待しましたが、終盤のあっさりとした所は、かえってディックらしいなぁ2016/06/08
波璃子
20
『ヴァリス』2作目。神学の知 識まみれでかなり読みにくかっ た1作目よりSFになっていて展 開は面白く感じた。自分のいる 世界が何かの存在が戯れに作り 出したものかもしれないと思う とちょっと怖い。2016/01/10
またの名
14
「やあこんにちは。みんなの忌み嫌うべリアルくん(悪魔)ですよ」と始まる訳者あとがきが壮大なオチをつける。その訳者あとがきによれば、引きこもって日々ネットアイドルの曲を聴きゴロゴロしてる無気力ニート主人公が神と悪魔の闘いにおいて重大な鍵になる物語。すべてを否定的な価値観から見る悪魔ベリアルの視点を翻訳にも持ち込んだような新訳版は、著者の突飛な思考を深遠な神秘主義的哲学ビジョンとして読み解こうとした旧版の衒学的雰囲気を一掃。もちろんディックのことだから各宗教の聖典や哲学も大量にまぶした、多様な読みを誘うSF。2017/12/04
けいちゃっぷ
10
『ヴァリス』を読んだのは1年前なのですっかり内容を忘れてしまったが、こちらの方が読みやすかった気がする。 神と悪魔の代理戦争でも起きるのかと思ったら、案外あっさり終わってしまった印象。 結局、世界は救われないがハーブ・アッシャーは救われたのか? 訳者あとがきが面白かったと日記には書いておこう。 428ページ 2016/12/02
記憶喪失した男
9
神学小説。2016/12/02
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