内容説明
ウェスタロス大陸の七王国は、長い夏が終わり、冬を迎えようとしていた。狂王エイリスを倒し、ターガリエン家から“鉄の玉座”を奪って以来、バラシオン家、ラニスター家、スターク家ら王国の諸候は、不安定な休戦状態を保ってきた。だが、ロバート王がエダード・スタークを強大な権力を持つ“王の手”に任命してから、状況は一変する。それぞれの家の覇権をめぐり様々な陰謀が渦巻き…。ローカス賞に輝く歴史絵巻、開幕。
著者等紹介
マーティン,ジョージ・R.R.[マーティン,ジョージR.R.][Martin,George R.R.]
1948年アメリカのニュージャージー州ベイヨーンの生まれ。幼少年期からコミックスとSFを愛読し、1971年、短篇“The Hero”でSF界にデビュー。「ライアへの賛歌」(74年)、「龍と十字架の道」(79年)等の短篇でヒューゴー賞を受賞。さらに「サンドキングズ」(79年)ではヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を受賞し、SF作家として確固たる地位を築く。『七王国の玉座』にはじまる「氷と炎の歌」シリーズでファンタジイに本格的に乗り出し、ローカス賞ファンタジイ部門を受賞した
岡部宏之[オカベヒロユキ]
1931年生、1953年静岡大学文理学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おかむー
83
旧約版は1996年発行なので20年前の作品。第一部前半なのでなんとも評価は難しいけれど『よくできました』としておこう。架空のファンタジー世界ウェスタロスを舞台に描かれる群像劇。この巻ではおもにエダード・スタークを軸にしたスターク家、対立するラニスター家のティリオン、王国を追われたターガリエン家のデナーリスのみっつの視点からの描写となるが、どれも明確な主人公といえる扱いになっていないところが却って新鮮かな。まずは世界の歴史と背景、過去と現在の因縁が絡み合い風呂敷を広げたところまで、まだまだ入り口ですね。2016/02/28
bianca
49
ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の方を先行して観ているけど、本を読んでやっと相互関係がわかってくるという…一方で、文章だけだと人物の一致が難しいため、映像も必要な作品です(私だけかも?)。季節が不定期に訪れる七王国。国王玉座争奪戦大河ファンタジー。物凄く登場人物が多く、関係が複雑極まりない。各々、貪欲狡猾にゲームを繰り広げ、最も信用ならないとは分かっていても、ヴァリスやベイリッシュのことを少し良い人なんじゃないだろうか…と思ってしまう自分がいて、ちょっと戸惑う。人の表裏を読むのが面白い。ドハマり中。2016/05/31
藤月はな(灯れ松明の火)
44
反乱によって狂王を倒し、一時、均衡が保たれた世界。狼などの獣を伴にし、命を喪っても甦る異形が跋扈する中、様々な人々の思惑や権謀術数に巻き込まれ、毒され、利用手段とされる子供たちの運命や如何に?現国王はナザレのイエスを恐れたヘロデ王みたいなことを宣うし、まさにこの父ありてその子供あり。個人的に狂王の娘で馬賊に嫁いだダニーとアリアが好きです。しかし、これから話の展開に絡み合ってくる王家以外の登場人物が多すぎて人物把握が大変でした。できれば、王家に纏わる4家以外の登場人物も人物紹介に書いて欲しかったですorz 2013/10/14
アイゼナハ@灯れ松明の火
38
旧訳文庫版読了済なので実質再読。かつて七つの王国に分かたれていたウェスタロス大陸を主舞台に、壮大なスケールで繰り広げられる血塗られたファンタジー戦記。気高きこと、心優しいことにこれほどまでに酬いがなく、残酷で狡猾な謀略を巡らせる者が勝ち残る展開にはヒリヒリしますが、彼らの運命の先行きが知りたくて頁を捲らずにはいられない。上巻では辺境の北の守護者から『王の手』として宮廷の陰謀劇に巻き込まれていくスターク家の面々の視点を中心に物語が綴られていきますが、この先で彼らを待ち受ける悲運に早くも胸が痛みます。2012/11/04
紫伊
32
冒頭から引き込まれ幼いころ海外の児童書を夢中になって読んでいた時のことを思い出した。主人公の目線で物事を見て先に待ち構えるものが気になって夢中になる楽しさ。人や事柄、思惑、戦略が入り組んで、目線がくるくる変わるのが楽しいと同時に感情が見えるとその人にも肩入れしてしまう。戻りながら読まないとわからなくなるほどたくさんの人が登場するので、彼らがどう絡んでくるのかもわくわくする。ジョン、エタード、アリア、ティリオンが特に気になる人だけれど、まだライトが当たっていない人たちを読むのもとても楽しみ。2019/07/03