内容説明
多くの戦友を失ったハードな戦闘から生還した“連邦”宙兵隊のトリン・カー軍曹が新たに命じられたのは、“連邦”に加盟を検討中のシルスヴィス族への使節団を警護する儀仗兵という、戦闘とは無縁の任務だった。ようやく一息つける気楽な仕事だと、最初は思ったのだが…様々な異星種族で構成されたひとくせもふたくせもある兵士たちを統率し、怖るべき敵に敢然と立ち向かう熱血女性下士官の活躍を描いたミリタリイSF。
著者等紹介
ハフ,タニア[ハフ,タニア][Huff,Tanya]
1957年、カナダのノヴァ・スコシア州ハリファックスの生まれ。オンタリオ州キングストンで育ち、カナダ海軍に3年間勤務。その後、ライアスン技術専門学校にてラジオ・テレビアーツの学位取得。卒業後にカナダのTV局のCVCで脚本家見習い兼裏方として下積み時代を過ごしたあと、カナダでもっとも古いSF専門書店バッカにて8年間勤務。1992年からトロントのダウンタウンに移住。現在はトロント郊外に住んでいる。作家としてはすで20年以上のキャリアを持つベテランで、SF、ホラー、ファンタジイ、ロマンス小説と、カナダ文壇きっての売れっ子作家のひとりである
中村仁美[ナカムラヒトミ]
東京大学文学部卒、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
6
主人公は女性下士官、という珍しいミリタリーSFです。女性とか下士官だけなら、それなりにいろいろあるのですが、女性というまず一歩引いて考えられがちな性と、プロの裏方に徹することが存在価値である下士官との組み合わせは、たしかに珍しいか。ワン・ストーリーで一気に読ませる、面白い作品でした。次のトリン・カー軍曹の活躍が楽しみです。2011/04/27
47
5
どっちかというとミリタリー寄り。キャラクター同士の掛け合い、新士官と熟練下士官、部隊の関係の推移、息詰まる戦闘、回避なるか死亡フラグ?など見所はたくさん。ミリタリーSF初心者ですが楽しかった。続きも是非読みたい。2012/06/01
morisoba
3
残念なことに続編が翻訳されていない。2020/04/10
ももいろくじら
3
時々手を出すSFミリタリ系。なかなか当たりでした。 カー軍曹、完璧で格好良すぎなんですけど~!! こんな上司の下では部下は頑張れるよね~。 こんな部下がいたら、上司は育つよね~。 でもこんな中間管理職どこにもいないよね~。 セレブなクリス・ロングナイフに比べると、 ずっと地味だけど、魅力的なヒロインでした。 ドルナゲインはビッグバードみたいなもんでしょうか?2012/07/21
はるまき
3
☆☆☆:プロット的な目新しさは無いし、慣れないうちは種族名と固有名詞の区別が付かず読みづらいのがネックだけど、主人公トリンのタフな軍曹っぷりがイイし、種族が入り混じった個性的な宙兵隊の面々も良く描けていて、宇宙版『コンバット!』『バンド・オブ・ブラザース』『ブラックホーク・ダウン』といった趣き。死亡フラグネタも思わずクスリとしちゃったし。なのでその手のミリタリー物好きには実に楽しめるミリタリーSFに仕上がってる。これは続きが楽しみ。2011/04/21