ハヤカワ文庫
新しい太陽のウールス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 606p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150116750
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

今、ふたたび書き始めよう。失われし『新しい太陽の書』を―遍歴の後、首都ネッソスの“城塞”に独裁者として帰還を果たしたセヴェリアンは、時間の海を渡る巨大宇宙船に乗り組んで、新たな旅に出ることとなった。古い太陽の死を待つばかりの老いたる惑星ウールスに“新しい太陽”をもたらすために…。記念碑的傑作“新しい太陽の書”四部作で明かされなかった数々の謎が解き明かされる“ウールス・サイクル”完結篇。

著者等紹介

ウルフ,ジーン[ウルフ,ジーン][Wolfe,Gene]
1931年ニューヨーク生まれ。兵役に従事後、ヒューストン大学を卒業。1965年、短篇“The Dead Man”でデビューを果たす。70年代には、オリジナル・アンソロジー・シリーズ『オービット』を中心に、技巧の粋を凝らした短篇を発表。「アイランド博士の死」(1973)でネビュラ賞を受賞する。1980年より刊行が開始された四部作『新しい太陽の書』は、世界幻想文学大賞、ネビュラ賞、ローカス賞など各賞を受賞し、SF/ファンタジイ史上最高のシリーズと評されている。現在も旺盛に執筆を続けるウルフは、名実ともに現代SF/ファンタジイ界を代表する作家である

岡部宏之[オカベヒロユキ]
1931年生、1953年静岡大学文理学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

60
シリーズ4巻を読んでその後の話ですが、こちらのほうが話としてはわかりやすさがありました。どうもこの主人公のイメージとしてはこのカバーにイメージが左右されてしまいますが、本当は異なる感じなのでしょう。全世界を統べる人物なので、もう少し年齢的なものがあったり神格的な感じが付きまといます。とりあえずもう一度最初から集中して読もうという気になっています。2015/08/06

NAO

49
前4巻でシリーズはいったん終了。この巻は、独裁者となったセヴェリアンが「新しい太陽」をもたらすことが出来る人物かどうかの審問をうけに行く話。妙に古風な宇宙船内の出来事とイエソドでのエピソードはスリル満点でなかなか面白く、ウールスに戻ってからは俄然宗教色が強くなってくる。作中にはあの時のセヴェリアン、この時のセヴェリアンと、何人ものセヴェリアンが存在し、前4巻のさまざまな場面が、フラッシュバックのように現われてくる。時はもはや一方向に過ぎ去るものではなく、メビウスの輪のように際限なく回り続けているようだ。2017/05/30

フロム

14
長い長い旅の終わり。雪がチラつく前に読み終えて良かった。このシリーズの難解さは物語の展開スピードと想像力が必要な比喩表現に対して読書スピードが全く合ってない点にある。最終巻後半に至っては話の展開スピードが限界までシフトアップするので読んでる我々は困惑しかない。正直副読本が無いと理解は難しいと思う。っていうかあっても大変。正直、このシリーズ読む価値はあると思うが無理矢理読む必要は無いかなと言うのが最終的な結論。一巻読破後脱落すると敗北感が凄くあるのでよくよく考えてから読み始めた方が良い。マァ面倒臭い本ですよ2019/01/02

酔花

11
ウールス・サイクルもこれにて完結。「新しい太陽」を希求するセヴェリアンの旅も終焉を迎える。ウールスの独裁者となった後でも、宇宙船から不用意に飛び出して死にかけたりと性格が変わっていなくて、ほっとしたりしなかったり。洪水と新世界の誕生、神格化と終盤の展開は宗教的意味合いが一際増すが、ここらへんは熱心なカトリック教徒であるウルフの企みが色濃く反映されている様に見える。宗教的神話の創造という大がかりな枠組みを度外視したとしても、宇宙SF・時間SFという様々な視点から楽しめた。いつか再読せねば。 2014/07/25

スターライト

7
「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」…、いや失礼。本書にザクが出てくるので、つい。それはともかく本書は、先の4部作の後をうけて「セヴェリアンはウールスを発ち、太陽を救いました。めでたし、めでたし」な話なのである。シリーズ中、一番SF色が濃いが、空間はもちろん時間も錯綜し、あの人が実は…だった!みたいな展開もあって、一読しただけではストーリーをなぞったぐらいしか多分分かっていない。巻末解説で若島正氏は、第1巻から読むことを勧めているが、たしかに再読を迫るシリーズではある。さすが、ウルフ。小説技巧者だ。2012/08/15

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