内容説明
クライト星系第2惑星エルトルスでは政争がつづいていた。太陽系帝国に近い“解放委員会”がラール人排斥をめざす一方、公会議との協調を標榜する“利益党”はエルトルス人から銀河系第一ヘトランを選出しようと画策していたのだ。解放委員会のワルゴル・ケンソンらは、首都バレトゥスに降りた“権力のピラミッド”の謎の解明にあたっていたが、そのころ利益党党首ヘモ・ゴロンクは、反目する組織の殲滅を画策していた。
著者等紹介
嶋田洋一[シマダヨウイチ]
1956年生、1979年静岡大学人文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒猫トム
1
公会議7種族のマスティベック人と、同じくグライコ人が紹介される。 それぞれがユニークな能力と技術と要望を抱えており、それを融通し合うことで成立している不思議な組織体であることがだんだん分かってくる。しかし公会議サイクル中に残り3種族は描かれない。次のアフィリーサイクルまでお預けである。 ラストのゲーテの急展開は手に汗握る007映画のラストのようだ。1974年に書かれたお話とはとても思われない。2021/05/09
鐵太郎
1
あとがきにかえて は、嶋田洋一さん。 08年3月19日にアーサー・C・クラークが亡くなったこと。本当に心酔していなくても、重鎮の死とは寂しいものです。そしてもう一人、訃報が。今回「不可侵領域」を書いたエルンスト・ヴルチェクが、08年4月22日に亡くなったそうです。K・H・シェール、クルト・マール亡き後、ローダン・シリーズのプロット作家として全体を引っ張っていた人です。享年67才。2008/06/24
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
1
あの偉そうならール人が公会議の他の種族の対応でおろおろする姿が銀河系をめちゃくちゃにした種族の代表としてちっちゃく見えてきて、スケールダウン。でも、だまされている平和種族も銀河をまたにかけてだまされるというスケールの大きさ。このギャップが素晴らしい。2010/07/05
スターライト
1
前半は、エルトルス人の惑星での対立を描く。ローダンらテラの幹部は、一人もでない。後半は公会議第3の種族が登場。公会議勢力が進出した銀河では平和がもたらされていると思っていたグライコ人。その様子を見学したいという申し出に、ホトレノル=タアクは窮地に。グライコ人の不信を招けば公会議間のバランスが崩壊するため、何とか平和を装うが…。2010/06/02
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0
2011/03/20