内容説明
最愛の妻エルミザードの消息を求めて、エレコーゼは“黒い船”に乗り、新たな次元“輪の界”へと旅立った。その地でナチスの圧政から逃れ、この次元へとやってきたウルリッヒ・フォン・ベックと知り合った。ふたりはエルミザードそっくりの美女アリサードの願いをかなえるため、剣のなかに幽閉されている竜を解放すべく“輪の界”の中心部をめざす!だがその行手には、地獄の公爵バラリザーフの罠が待ち構えていた…。
著者等紹介
井辻朱美[イツジアケミ]
東京大学人文系大学院比較文学科卒、白百合女子大学文学部教授、作家、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
現実と物語の謎解き本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
11
煤まみれ、ゴミまみれのエレコーゼの姿は、衝撃的です。なんじゃこりゃ、の世界。前巻から16年たって、全く新しい装いに姿を変えたムアコックのヒロイックファンタジーは、ムアコックの何を示していたのでしょうか。戦いの後、剣を捨てたジョン・デイカーはエルミザードの元へ帰れるのか。故郷に戻れるのか。戦士の戦いは、そもそも終わるのか。ここで永遠の戦士の、一つの物語が終わります。2008/02/22
記憶喪失した男
7
「エレコーゼ」の第二巻。なかなか面白い佳作。2018/11/20
拓也 ◆mOrYeBoQbw
7
ファンタジー長篇。エレコーゼ(ジョン・デイカー)・サーガ最終話、フォン・ベック・サーガ第三話、賢者セピリズや魔剣の物語はエルリック・サーガ、と、各シリーズのアナザー・エンドを一冊に盛り込んだ大作です。しかしシリーズ物としてだけじゃなく、ファンタジーの完成形としても傑作。法と混沌、運命論、異世界転生、平行世界の相互干渉・・・・ファンタジーやニューウェーブSFの要素が全て組み込まれた20世紀ファンタジーの一つの理想系ですね(*´∀`*)2015/09/06
スターライト
5
解説で鏡明氏が指摘しているように、エレコーゼ(あるいはジョン・ベイカー、もしくはウルリック・スカーソル)は始終過去のあるいは未体験の未来の記憶に悩まされる。その最たるものが、アリサードに愛するエルミサードの姿を見、彼女とフォン・ベックが仲睦まじい振る舞いに嫉妬を覚え、あまつさえ殺意まで抱くところだろう。運命に翻弄された彼も、最後には安らぎの時を見出すが、それは束の間のことであることは本人も、そしてわれわれ読者も周知のことだ。なぜなら彼は、〈永遠の戦士〉なのだから。2014/06/13
goldius
3
「ブラス城年代記」に共通する思想を具現化した素晴らしい作品。現実逃避の手段としてSFを読んでる奴は読まない方がいい。霧けぶるロンドンに帰還するラストシーンは、オールタイムSFベストラストシーンを選ぶとしたら、5位以内にいれるべきの超感動の美しいラストシーンである2004/07/11
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