ハヤカワ文庫<br> 海底牧場

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ハヤカワ文庫
海底牧場

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  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150115807
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

21世紀、世界連邦食糧機構の海務庁牧鯨局は、食用の鯨を海で放牧し、人類の食糧需要量の一割以上をまかなうほどになっていた。その海底牧場で、牧鯨者として鯨を管理する一等監視員ドン・バーリーは、新人として配属されてきたウォルター・フランクリンの訓練をまかされることになった。だが、フランクリンにはひとに言えない過去があった…海に生きる男たちの波瀾に満ちた運命を描く巨匠クラークの感動的な海洋SF。

著者等紹介

高橋泰邦[タカハシヤスクニ]
1925年生、1947年早稲田大学理工学部中退、作家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Dash-Checker

14
三回目の再読。やはり第一部の描写が群を抜いて素晴らしい。愛する男が倒れ、自分以外の女性のに助けを求める場面に遭遇したヒロインの描写が泣ける。三部構成なので読みやすい。2023/07/09

roughfractus02

11
人間が動物の肉を食べることは正当な進化の結果なのか? スリランカに移住した作者は仏教に親しみつつ、鯨を放牧して食肉化する近未来を描きながら生命の格差を思う。そしてその批判は、人間のために動物はいると考えるキリスト教と生命を対象として扱う科学的合理主義へ向かい、西洋において人間以外の生命に関しては宗教と科学は地続きであることを本書で示唆する。宇宙で事故に遭い、家族のいる火星に戻れぬほど精神的ダメージを受けた主人公が、地球でクジラの放牧管理の職に就くことから始まる本書は、苦難を克服する単なる成功物語ではない。2023/09/16

チョモ

11
名作再読。宇宙飛行士からドロップアウト後、牧鯨者として海底牧場(←育てているのはクジラ!)で働き始める主人公。うーむ、鯨食文化を持つ国民としては、興味深い題材です。既に50年以上昔の著作ですが、著者の先見性には脱帽するばかり。主人公を取り巻く人々も魅力的なんだ。叩き上げのドン・バーリー、昔気質のダリル船長、そして史上初の欧米人○○指導者!(この発想には驚いた^^;)。EDについては、クラーク先生ってばやっぱり英国人なのねって感じもしますが。困難を科学で乗り越えていく姿勢、これはやはり古き良きSFだなあと。2013/12/01

sibasiba

6
巨匠クラークによる傑作海洋SF。第一部の練習生時代が素晴らしかったがその後の話が微妙に思えた。特にマハ・テーロの主張とそれに感化、帰依する主人公に共感できなかった。主人公も回答から逃げてしまい非常に微妙な展開だった。それでもピーターの旅立ちで何となく良い感じのエピローグなので悪くはなかったかな。2017/03/04

NezMozz

5
クラークが得意とする(と私が思っている)ような、有無をいわさずぶん投げられて、読者はただしばらく呆然とするしかない神話の如き「大きな物語」の強烈な想像の豪腕は、なんだかとってもいい塩梅に加減されていて、わくわくと読み進めることができる。実際的でリアルで、ある種クラークには異色の大衆的な、血沸き肉踊る「小さな物語」。それでも後半にさりげなく入れられている民意のあり方の描写など、えっクラーク先生見てきたの?というほどに予言的。2011/06/04

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