内容説明
トリポッドが世界を支配するようになってから、およそ百年。みんなキャップをかぶり、平和でのどかな生活をおくっている。でも、ほんとにこれでいいんだろうか?戴帽式を間近にひかえ、そんな疑問で頭をいっぱいにしていたぼくは、ある日一人のはぐれ者から驚くべき話をきいた。トリポッドは異星からの侵略者で、海の向こうの白い山脈には自由な人々がいるという。ぼくは従弟のヘンリーとともに、自由を求め旅にでるが。
著者等紹介
クリストファー,ジョン[クリストファー,ジョン][Christopher,John]
本名サミュエル・ヨード。1922年イギリスのランカシャー生まれ。少年時代は南部ハンプシャーの州都ウィンチェスターですごす。第二次世界大戦で軍役についたあと、1949年にC・S・ヨード名義で処女長篇を出版。その後、少年時代に熱中していたSFの短篇を、ジョン・クリストファー名義で書きはじめる。1956年に発表した『草の死』で一躍脚光を浴び、ジョン・ウインダムの後継者と高く評価される。1960年代の半ばから子ども向けの作品を書きはじめ、カーネギー賞の候補にもなった「トリポッド」シリーズが大評判となり、児童文学作家として第二の名声を得た
中原尚哉[ナカハラナオヤ]
1964年生、1987年東京都立大学人文学部英米文学科卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そうたそ
10
★★☆☆☆ 感想は一巻にて。2018/11/03
スター
8
文庫の2巻~4巻が1967年から英国で出版。後に3部作の前日譚が発表、文庫の1巻に。2巻は英国の13歳のウィルが主人公。彼の世界では、巨大な機械が、人類を統治し、14歳になるとキャップをかぶる事を強制された。かぶると思考を支配される世界に疑問を持った彼は、ひょんな事からキャップをしない大人に会い、彼の手引きで支配者に抵抗する人達に合流するためフランスへ。フランスの描写がいきいきしてたり、命がけの旅の描写がリアルと感じて読んでたが、著者紹介に、第二次大戦で軍役についてたとあったので、フランスで戦ったのかも 2018/05/18
酔花
8
前作から100年後の世界ではトリポッドによる支配がほぼ完了していた。本作では洗脳キャップを装着する戴帽式を控えた子どもたちが主人公。仲良し小好しパーティーではなく、心配されなくて不貞腐れたり、会話の主導権を握れなくてご機嫌斜めだったりと、等身大の少年らしい心情の機微がしっかりと描かれている。とんとん拍子で進むより、泥臭い脱出劇の方がやっぱり楽しい。様々な疑問を残して次巻へ。2015/03/01
ヴェルナーの日記
6
本シリーズの2作目の当たる。前作から、凡そ100年が経過し、人類のほとんどが異星人トリボッドたちに支配されてしまった。人類は14歳になると頭に、トリボッドによってキャップ(作中では『戴帽式』と呼ばれている)を被らされて、彼らにマインドコントロールされてしまうのだ。しかし、人類の一部は、彼らの支配に抵抗し、地下に潜ってレジスタンス活動を起こしていた。そんな中、主人公ウィルは、『戴帽式』に臨む事に疑問を抱いて、村から脱走。レンジスタンス活動する人たちが住むという山を目指して大冒険に出るのだった。2014/08/27
まうやお
4
本篇の始まりです。前作から百年後、世界は完全にトリボッドに支配されています。そこから逃げ出し反抗グループのもとへと少年たちです。少年の成長とか恋心、もちろん冒険と盛りだくさんでした。2015/10/22