内容説明
宇宙気流の分布と混沌世界の出現に共通性を発見したという無名人に同行して銀河に旅立ったハリ・セルダン。彼は心理歴史学の最大の敵である混沌と対峙すべく、探究の旅を続けていた。しだいに明らかになっていく混沌世界の姿、そして深まる謎。はたして混沌を食い止め、銀河に安定をもたらすことは可能なのか?アシモフが創造し、現代SFを代表する三人の巨匠が見事に再構築した“新・銀河帝国興亡史”三部作完結篇。
著者等紹介
ブリン,デイヴィッド[ブリン,デイヴィッド][Brin,David]
1950年南カリフォルニア生まれ。カリフォルニア大学サンディエゴ校で天体物理学の博士号を取得。1980年のデビュー作『サンダイバー』と、1983年発表の『スタータイド・ライジング』(ヒューゴー/ネビュラ/ローカス賞を受賞)、1987年の『知性化戦争』(ヒューゴー/ローカス賞を受賞)からなる“知性化”三部作は、ハードSFとスペース・オペラの世界観を融合した傑作として高く評価されている
矢口悟[ヤグチサトル]
1968年生、1994年東京外国語大学ロシヤ語学科卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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3
新シリーズ全て読了。アシモフは晩年の2作で「心理歴史学」を科学的、数学的に記述しようとして失敗し、年老いた主人公セルダンは、自分の人生は無意味、全ては無駄、誰にも相手にされず何もかも虚しいと、惨めな敗者としてシリーズを終えた。アシモフ作品全体としても様々な謎や矛盾が残る。一方で新シリーズは、惨めな敗者として終わったアシモフ作品を『勝利』に導き、作品に残った矛盾に辻褄を合わせることを目的として企画されたのだろう。だがそれで出来上がった作品がここまで酷いものになるとは。これはなぜだろうか、興味深い問題である。2025/10/10
roughfractus02
3
混沌への冒険は、アシモフが本シリーズで構築した未来史を補完して大団円に向かうのだろう、と想像しながら読むことはできる。が、この旅で放射能に満ちた地球も見出され、過去の歴史の流れに沿って混沌が秩序化するかに見えるのは、散りばめられたアシモフ作品のオマージュに読者が眩惑されるからだろうか。2万年を見つめるダニールが考えるように、当の人間を新たな人類となるガイア人やガラクシアへの架け橋と解すれば物語は別の様相を帯びる。さらにダニールの考え以外の可能性も仄めかす本書は、安定を次の混沌への準備として示すかに思える。2018/12/05
ALBA
1
アシモフの本編の意味合いが変わってくる箇所がいくつかあり、「う~」と思わないでもないですが、中々ちゃんとまとまってるかな?って気もする。 少なくとも、巻末のロボット物~ファウンデーション世界の年表はためになった。この新シリーズは読む気なくても、本書下巻だけ買っておくのもいいかも。2014/01/27
uokumura
1
混沌のオチはちょっと…やったけど、百科事典に掛けたオチは凄い好き。2009/04/22
マサトク
0
なるほどな大団円かつ、アシモフの「ファウンデーション」と齟齬なく繋がる終わり方。見事。ブリンさすがだなあ。数年かけて追ってた「ファウンデーション」シリーズも一旦終いかあ。「新ファウンデーション」も原典に劣らず良い作品でした。満足。2025/01/13
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