内容説明
映像化不可能と思える内容の原作を、コンピュータを使っていかに立体映像化するか…難問を与えられた演出家ウィラードの苦闘を描き、ヒューゴー賞を受賞した表題作、作家志望のロボットの奮闘をブラックなユーモアに包んで描きあげた名作「キャル」などのSF短篇に加え、巨匠みずから読者にSF小説作法を伝授する「SF作家になるためのヒント」ほか、エッセイの数々をあわせて収録した、アシモフ最後のSF作品集。
目次
第1部 最後の物語(キャル;左から右;フラストレーション;幻覚 ほか)
第2部 サイエンス・フィクションについて(最長の航海;世界の創造;空飛ぶ円盤とSF;侵略 ほか)
第3部 SF小説作法(プロットについて;隠喩;アイデア;サスペンス ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
28
01年(平成13年)の税抜920円の青背初版。アシモフより3歳年長のクラークは2008年死没。アシモフは92年没だから、21世紀どころかWindows95にも間に合わず…新世紀を見たかっただろう。本書は第一部の晩年(85~91年)の作品15編、第二部と三部のSFと小説作法のエッセイで構成。作品群には著者お約束の楽屋ネタ的コメントが無い。本書が没後に編纂されたとは言え、執筆小話が無いのは83年からの体調不良が大きな要因だろう…と言いたいが、シャカリキにエッセイ部分は書いているので注力の選択かな。★★★★☆☆2022/10/05
suzuki-takefumi
5
アシモフの短編小説とエッセイからなる“アシモフ・ア・ラ・カルト”。小説は巻頭の短編以外今ひとつ。エッセイは多分、他の作品を知っていた方が面白い。これを“アシモフ入門書として最適”というのは無理がある。2008/09/02
いちはじめ
4
晩年のSF短篇を集めた第一部、アイザック・アシモフズ・サイエンス・フィクション・マガジンの巻頭言などのSF関連エッセイ集の第二部、SF小説作法を語った第三部という、没後出版でなければ許容しがたい不思議な構成。第一部の小説は全盛期と比べる気にもなれないくらい、ファンとしては哀しい出来。ただ、後半のエッセイはアシモフ節健在といった感じで、嬉しくなる。2001/02/19
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
3
短篇とエッセイだった。アシモフさんのエッセイ初めて。ネタは考えに考え抜いてできるもの、具体的には…という具体的な脳内で骨子が組み立てられる様は興味深かった。若い頃に書いた「夜来たる」が好きなのね。ロボットはチェコ語で労働や奴隷を意味する。諷刺は大げさに言い滑稽な印象を、皮肉は逆を言いだいたい怒りを与える。2023/08/06
Kuliyama
2
アシモフの全ての作品を読み終わった方ならばお薦めできるかと。もし未読ならば、ロボットシリーズ、鋼鉄都市シリーズ、ファウンデーションシリーズを強くお薦め致します。2015/08/07