内容説明
21世紀、人類の大半は現世の肉体を捨て、ヴァーチャル・リアリティの楽園“ビン”に移住した。現実世界に残ったのは変人だけで、世界は荒廃するばかり。そんな世界に残っていた若者ネモは、一時訪問した“ビン”で、エイミー・マンの唄を歌うロック歌手ジャスティンと出会う。現実にいるかぎり、手の届かないジャスティンとの恋に落ちたネモは…仮想現実の女性をめぐる、謎とロマンスにみちたネモの冒険を描く話題作。
著者等紹介
ダンヴァーズ,デニス[Danvers,Dennis]
1947年生まれ。テキサス大学などで学び、大学講師、バーテンダー、古書店主、コックなどの職をへて、作家となる。狼女アリスを主人公にすえた物語Wilderness(1991)でデビュー。長篇第2作はふたつの時代にまたがる恋を描いたTime and Time Again(1995)。1998年に発表した第3作の本書『天界を翔ける夢』は、ニューヨーク・タイムズやローカス誌などで高い評価を得た。本書に続き、End of Days(1999)、The Fourth World(2000)と次々に作品を発表している
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感想・レビュー
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medihen
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2003年11月26日読了。ほとんどの人間が<ビン>と呼ばれる計算機中の仮想世界に移ってしまっている世界。両親への反発から<ビン>への移民を拒否してきた主人公・ネモは、<ビン>内の両親宅を訪れた際に出会った美人歌手ジャスティンと一目ぼれの恋に落ちる。現実世界と仮想世界に分かれた二人の恋の行方はいかに?...という物語。ジャスティンの姿が実在の英国の歌手エイミー・マンにそっくり、というのでエイミー・マンを聴いてみたこら、これがすっかり気に入って自分も彼女のファンになってしまった。
釈聴音
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人間の意識がコンピューターにアップロードされて、その中で永遠に生きることが出来るようになった未来、という設定はイーガンなどのハードSF系の作品でもよくあるものだが、この作品はその世界であくまで「ロミオとジュリエット」的なラブロマンスを描こうとしている。細かいガジェットにはなかなか面白いものもあるが、あくまで「SFの皮をかぶった『ロミオとジュリエット』」で、哲学的な問題などにはほとんど目が向けられていないのがやや残念。2012/12/19
有栖川ガストン
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とても面白く読めました。仮想世界をテーマにしていますが、その世界観は決してありがちではなくとても良い雰囲気と緊張感の中で物語が進みます。表紙のイラストも素敵です。欲を言えば、恋愛だけでなく友情のほうももっとつっこんで描いてほしかったです。2009/09/30




