内容説明
遙か深宇宙で進化した生命体グレックス―エンギという名の幼仔が冒険を求めて行方をくらました時、群れは大騒ぎとなった。ただちに2体の斥候が選ばれ、その跡を追った。だが怖るべき捕食生物「大食らい」もまた、その仔を狙っていたのだ。やがて未熟なエンギは、とある恒星の磁力流に捕えられ、地球という名の惑星に…感動の表題作ほか、ネビュラ賞受賞作「ラセンウジバエ解決法」など、全10篇を収録した傑作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
miri
46
ネビュラ賞を受賞した短編をはじめ、社会制度の枠に囚われた自身の偏見のようなものに阻まれ、非常に難解に感じた。感覚的に理解が及んだのは、『星ぼしの荒野から』、『たおやかな狂える手に』。どちらも異文化理解、心と感覚の共有はどこまで可能なのかが根底にあったように思う。後者ははるかな距離を越えたアメリカ版織姫と彦星のようなラブストーリー。「何もかも失ったところに、たった1つが手に入る」、こういった感性は東洋的なものではなかったのだという発見とたった1つを手に入れるまでの努力と犠牲に吐息を漏らしてしまった。2024/07/05
とも
32
ティプトリーの第4短編集。再読。「ラセンウジバエ解決法」攻撃性と性衝動、わかりやすくて切れる。 「われら〈夢〉を盗みし者」隷属状態からの脱出…そしてそこで見たものは。強烈。 「スロー・ミュージック」河に向かおうとする男と子を残したい女の邂逅。河が何ものかは徐々に明かになっていく。いやあ傑作すぎて怖い。ティプトリーの中でもトップクラスの一作。読みやすいが難度は高い。 「たおやかな狂える手に」は氏の遺言のような一作。 この短編集はほぼ全篇容赦なく殴ってくるので、取り組む際にはご注意を。2026/01/11
星落秋風五丈原
26
地球に観光旅行にやってきたエイリアンは、なぜか善人ばかりを集めて贈り物をしたいと言い張る。少年、看護師、博士、森林監視員らは皆口を揃えて「なら大統領に会えば?」というのにエイリアンは取り合わない。平和主義のエイリアンが善人達ばかりを連れて行った先とその目的は? いやぁ、エイリアンの方が一枚上でしたね、の「天国の門Angel Fix」。著者がCIA草創期のメンバーと聞くとキャロルの受けた仕打ちは体験談?と深読みしたくなる「たおやかな狂える手に With Delicate Mad Hands」2020/06/08
紫羊
21
最近お気に入りのYouTubeチャンネルで紹介されていたジェイムズ・ディプトリー・ジュニアの短編集。男性名で作品を発表していたが、のちに女性であることが明かされた。不思議な味わいの作品ばかりだが、そのすべてに共通するのは、踏みにじられる小さな命への哀惜。そしてフェミニズムの香りが漂う。彼女の他の作品も読んでみたい。2024/11/27
宇宙猫
19
★★★★★
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