内容説明
物体ミクロ化実験への参加を拒否した神経物理学者モリスンは、誘拐同然にソ連の極秘研究所へ連行されてしまった。そこで見たのは想像を超えるミクロ化技術の実態だった。さらにモリスンはいやおうなく、実験に参加させられ、生きている人体の脳のなかへと旅立つことになったが…アメリカ人科学者が体験する、スリルとサスペンスに満ちた人体内部の冒険の旅を、巨匠が該博な科学知識を駆使し、構想も新たに描いた話題作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
bookkeeper
37
★★★☆☆ 再読。昏睡状態の科学者の脳へ入り、技術的な課題を解決するアイデアを傍受する…。各種の困難を乗り越え遂にモリスンの装置の真価が試される。 泣き言の多い主人公、父親の警句ばかり言う操縦士に性格の悪い脳物理学者など、魅力の無い登場人物達が航海中も言い争ってばかりいる。艇外作業を誰がするか一つを決めるのに論争するので話が進まない。うぅっイライラするっ!アシモフさん、恐れながら前作の方がずっと良かったっすよ…。 「おやじの口癖だがー要点にいきつくのに長くかかればかかるほど、それが重要でないとわかる」2021/10/24
roughfractus02
10
同じ頸動脈から脳への経路で同じ5名の搭乗者を乗せた潜航艇が注入される縮小技術を「ミニチュア化」と戯画化する後半は前作のパロディで進む。が、原子レベルに縮小すると物理法則は成立しないというプランク定数に関する新たな科学的記述が加わると、ファウンデーション・シリーズに続く未来史の一部に本書が組み込まれるように見えてくる。愛の称揚と主人公が神の如く七日目で休んで唐突に幕を閉じる最後は、機械仕掛けの神が無理やり劇を終わらせるギリシャ末期の悲劇のようだ。以後作者の未来史はローマ帝国を模した銀河帝国へ向かうのだろう。2023/07/19
鐵太郎
7
かつて読んだ時、クライマックスで唖然とするほど単純に「愛」に溺れた登場人物の行動に、アシモフの描く人間模様ってこんなものか、と落胆したことを思い出しました。困ったことに、今回読み直して同じ感想を抱きました。これはSFとしてどうなのかはともかく、物語としては安直すぎます。残念。でも、ソ連が解体するなどアシモフでさえ思いつかなかった時代の、アシモフらしい逸品でした。2010/03/11
aki
3
下巻も盛り上がりに欠けるなあ。アシモフ、どうしちゃったの、という感じ。ラストの意外性もうすいし。もっとも「さすが」と思うところも。アシモフの長編は『神々自身』を除いて、ロボット-銀河帝国-ファウンデーションシリーズに位置づけられるが、この作品も(なんの関係もなさそうなのに)ロボット-ファウンデーションシリーズの開幕を飾る作品になっていることだ。ネタばれになるが、ラストシーンでロボットの頭脳やセカンドファウンデーションにつながる技術が(この作品世界の)近い将来に生み出されるであろうことが暗示されている。2012/10/16
ヒビモリシタロー
1
冷戦時代の記憶もずいぶん薄れてたんだなあ、読み返してびっくりだ。人体に潜ろうってんならこれくらいは考えようぜとアシモフ先生が後進を鞭撻しまくる怪作…かな。2010/04/10




