内容説明
2028年、6月。いまや国際政治において絶大な権力を誇る国連は、北極海に核兵器を隠匿するシベリア連邦への制裁のため、基地の空爆を行なった。ところが北極の海底には、温室効果をもたらすメタンガスが大量に閉じこめられていたのだ!爆発のエネルギーで大気中に放出されたメタンは、徐々に気温と水温を上昇させてゆく。やがて夏が訪れ、暑さが最高潮に達したとき、北太平洋にかつてない激烈な風が吹きはじめた…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
16
これは、1994年に書かれた2028年の、人為的な環境破壊による巨大タイフーンに翻弄される世界の話。XVという人の脳から採取されたデータで人の脳を楽しませるシステムが世界を席巻し、それに絡む女優や学生やXVで殺された娘の復讐を期する男がいて、無邪気に世界を壊した政治家がいて、示されるデータに戦慄する気象学者がいて、冷静にと自分を励ます「アメリカのおばあちゃん大統領」がいます。太平洋で暴れるんだからハリケーンじゃなくて台風だと思うけど、ともかくクレムは大暴れ。出だし読みづらかったけど、下巻が楽しみだな。2025/01/23
佐藤司
0
バーンズらしく、SF部分はしっかりしているけど、本筋がなかなか進まずにちょっと退屈。下巻に入ってストーリーが進みだすのに期待します。2012/10/03
レイス
0
伏線が多いけど、面白いものもある。月でのレプリケーターのやりとりが興味深く面白かった。「噴出ジェット」が初耳なので検索してみたけど下手なので見当たらなかった。これは実際にはないもの?風の強さもメートルでないのでわかりづらい。XVは何の略?脳内最適化も処理能力が一秒10年という速度に魅力を覚える。おっと本筋「クレム」を忘れるところだった。早く大都市を襲うところが見たい。2018/03/03
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