内容説明
だんなさまは、いったいどうしたんだろう？森の小さな夏別荘では、主人に置き去りにされた電気器具たちが不安な日々を送っておりました。ある時ついにちびのトースターが宣言します。「みんなでだんなさまを探しに行こう！」かくしてトースターのもとに電気毛布、掃除機、卓上スタンド、ラジオなどが集結し、波乱に満ちた冒険の旅に出たのですが…けなげでかわいい電気器具たちの活躍を描く、心温まるＳＦメルヘン。ローカス賞・イギリスＳＦ協会賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
110
これはお勧め。ご主人に置き去りにされたトースターや掃除機などが旅に出るお話。目的地はもちろんご主人の家。電気器具たちの運命が気になって、ページをめくってしまう。花やリスなど途中で彼らが出会う登場人物たちもユニークだ。特に韻を踏んだ話し方しかできないヒナギクは可笑しい。自分が長い間使った電気の器具には愛着がわいてくる。その気持ちをうまく表現した小説だと思う。たとえ物でもここで描かれているように、大切に使っていれば、心を持つのかもしれない。みんなが幸せになるハッピーエンドの結末が素晴らしい。2017/10/09
藤月はな（灯れ松明の火）
62
別荘に取り残されたトースター、掃除機、電気毛布、電灯はご主人様のところへ向かうが・・・。まずは電気が必要なトースター君達が別荘から出るのにどうすればいいのかと思案する所が見ものです。その思案の結果でもあり、家電だからできることに私は思わず、笑ってしまいました＾＾雨、嵐、しまいには泥棒によってゴミ処理所に捨てられるトースター君たちが機転を利かして困難を克服していく様子に応援してしまいます。ラストは驚いたけどちゃんとハッピーエンドです。ご主人様の都会の家電たちもいい子だな＞＜クスリとしてほのぼのするメルヘン。2014/02/06
ばう
52
何十年も前から本棚にあったオットの本を何気なく読んでみたら思いの外可愛くて楽しいお話だった。ご主人様が全く訪れなくなった夏別荘の5台の家電達はご主人様に何かあったのでは？と不安になりとうとう町まで行くことに。色んなトラブルに巻き込まれながらも5台の家電達が知恵を出し合って町まだ辿り着くがその先に待っていたものとは？たまにはこういうSFメルヘンも楽しいなぁ♡2024/08/12
ぶんこ
49
別荘に置き去りにされた電気製品たちが、都会のご主人様の元へ旅立ちます。トースターの発案でリーダーは掃除機。AMしか聴けない目覚ましラジオ、電気毛布、卓上スタンドが力を合わせて困難な旅を続けます。雛菊がトースターに恋をしたり、風で木の枝に飛ばされた電気毛布をリスの夫婦が助けたりと、心温まる出来事もありながら、泥棒に捕まった時は知恵を出しあって追い払ったりと、チームワークは最高！やっとご主人様の家に辿り着いたものの居場所はなく、ラジオ局の交換会で貧しいバレリーナの元へ。大事にされ仲良く暮らしました。2024/08/23
GaGa
44
これは随分昔、SFマガジンで一挙掲載されていたものと同じ作品で間違いないと思うが、それを探し出すには押入れの捜索が必要なので断念（笑）初めて読んだ時もそうだったが、衝撃が走った作品。ディッシュに何が起こったのか！？でも、今まともに読めるディッシュ作品がこれぐらいとは少し悲しいなあ。2011/12/07
