内容説明
恐竜はなぜ滅んだのか?この究極の謎を解明するために、二人の古生物学者がタイムマシンで六千五百万年のかなた、白亜紀末期へ赴いた。だが、着いた早々出くわしたのは、なんと言葉をしゃべる恐竜!どうやら恐竜の脳内に寄生するゼリー状の生物が言葉を発しているらしいのだが、まさかそれが「***」だとは…!?次次に披露される奇抜なアイデア、先の読めない展開。実力派作家が描く、心躍るアドベンチャーSF。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
64
ソウヤー二冊目。これも面白かった。この作家はしばらく追いかけてみよう。恐竜絶滅の謎を解明するために白亜紀末期へ向かった二人の科学者が遭遇した「ヘット」とは?単なる時間SFでは終わらず、ファーストコンタクトなど、様々な要素を組み入れた傑作。SF小説初心者でも読めそうな作品。恐竜好きなら是非。2012/03/09
催涙雨
59
アイデアの奔流みたいな作品。実際の原始時代を下敷きにしている関係で「さすがにこんなの無茶だろう」と感じる設定もときどき出てくるのだが、読み終わる頃にはケチをつける理由がまったくなくなる。最初から最後まで極端なフィクションに振り切ってはいるが、そういう“なんでもあり”ネタはぜんぶキレイに回収されて妙な説得力をもって胸におちてくる。実際のところ世界の成り立ちなんてこんなものなのかもなとついつい思ってしまう。時間旅行が存在しなければ、そして時間線が変化しなければ人間は存在していないなんて突拍子もない解釈もどこか2019/02/24
ntahima
45
恐竜絶滅の謎に迫る奇想天外なストーリ。一般には巨大隕石落下説が有力だが重力増大仮説は初めて知った。最初は著者が捻りだした珍説奇説かと思ったが同様の説を唱える学者がいると聞いて唖然。巨大恐竜が存在していたのは化石等から紛れもない事実であるが、その超巨体を支えていたメカニズムには今も謎が残るというのは確かではあるが・・・それはそうと、鳥型恐竜のトロエドンが「はーい」と話しだすのには笑ってしまった。大風呂敷を広げることはできても畳むのは本当に難しい。少しの間ではあるが壮大な夢を見せてくれたので良しとするか^^2010/07/08
ニミッツクラス
33
96年(平成8年)の税抜621円の青背初版。“定価640円(本体621円)”表示だが、のちに“本体621円+税”とした…97年以降の増税対策だ。さて本書、ソウヤーらしい(ホーガンにも似た)謎解きエンタメSF。少しボカした原題に対して邦題は割と直球。タイムマシンと二人の古生物学者による恐竜絶滅の真相に加え、木星で無い方の太陽系第5惑星や火星文明の衰退、当時(6500万年前)の地球の低重力や衛星の数などを盛り込んだ。宿主に仇なすインフル、ポリオ、癌などの疾病由来は続編書いて制圧して欲しかった。★★★★☆☆2025/04/24
春一番
33
この小説はジュラシック・パーク、失われた世界に匹敵する恐竜SFでありながら、それだけではあきたらず同時に火星人SFでもある。恐竜と火星人、それはSFが誕生して間もない頃から、少年たちの心をくすぐってきた魅力的なヒーローたちである。太古に君臨した恐竜と愛すべき青のねばねばこと火星人の共演、それに恐竜はなぜ滅んだのかという宇宙誕生以来の最大のミステリーのひとつへの挑戦、それらが君の心を踊らせること間違いなし!!2025/04/04