ハヤカワ文庫<br> カリストの脅威

ハヤカワ文庫
カリストの脅威

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  • サイズ 文庫判/ページ数 388p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150111366
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

英国の出版社から「まだ短篇集に収録されていない初期の短篇があればぜひ出版したいのだが」との問い合せがあった。いったんは断ったアシモフだったが、すぐに思い直した。それらの短篇はそれほどわるい出来ではないし、歴史的な価値もあり、さらに自伝的な説明をちりばめれば、よりいっそう興味深いものになるに違いない。本書はデビュー作「カリストの脅威」ほか“SF黄金時代”を髣髴とさせる名品8篇を収録。(全3巻)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

カムイ

50
アシモフの初期作品なのですが、後の大作の作品の片鱗を醸し出された作品群でした。アシモフの作品解説は時代背景や出版事情がしりえて興味を引き、雑誌掲載だけ集めた作品は確かにそうなるだろうと思うSFにしても尖りきってないところがまだまだであった、そして人種の問題などのアシモフのユダヤ人たる矜持が見え隠れする。ところどころブラックなユーモアなどをいれるのはアシモフだと納得した2025/03/02

ニミッツクラス

22
96年(平成8年)の税抜602円の青背初版。英出版社の企画本“ジ・アーリイ・アシモフ(アシモフ初期作品集)”27編は最初に米国で刊行され、そのあと企画元の英出版社から3分冊で刊行された。米国ダブルデイ社は美味しいとこ取りをした事になる。本書は英国版の初巻(8編収録)の邦訳で、巻頭の表題作が一番古い39年となる。アシモフ本人が各話の前後をマメに繋ぎ、全体として初期アシモフと言う主題のビブリオグラフィーとして完成している。アシモフの作文構成力が素人作家から着実に増していくのが良く判る貴重な一冊。★★★★★☆2020/02/26

鐵太郎

17
御大アイザック・アシモフの初期短編集。すでに世の中に出ているものを除いた、若きアシモフが世に出るために書いた1930年代後半から1940年の短編を集めたもの。アシモフという名と歴史的経緯、そしてアシモフ自身による魅力的な前書き・後書きがなければとても読めないシロモノというのは酷だけど、このコメントに期待して読み直し、それはそれで楽しめた。(笑)2017/11/25

スターライト

16
単行本未収録の初期作品というと面白くなさそうなイメージを持つが、読み始めてすぐそれは誤解だと気づいた。序文と各作品をつなぐアシモフ自身のコメントにも思わずニヤリとさせられるが、宇宙への関心、科学への信頼、戦争や人種差別への痛烈な批判など、青臭いといえばそれまでだが、作品の出来を超えてこちらに訴えかけてくるものがあった。宗教を使って科学の進歩を封じ込めようとする「時の流れ」には反知性主義への警鐘を感じられるし、「混血児」には未だアメリカ社会が克服できない人種差別へのアシモフの怒りを感じさせた。良質な作品集。2021/01/02

roughfractus02

11
第二次大戦前に書かれた8つの初期作品を収めた本書は、植民地争奪をめぐる大国の資本主義的欲望を宇宙の領域に重ねながら、物語は、支配する側に付き添いつつも支配される側の文化や能力に自らと異なる何かを見出す人類学者的登場人物の姿勢によって紡ぎ出される、という傾向があるようだ(19世紀以降の人類学者に宗教者が多い点も登場人物に重なる)。ファウンデーションで出てこない異星人たち(金星人、火星人)も地球人に劣るのではなく異なる能力を持つと捉え直され、その力に魅了される人物も出てくる。各作品への作者自身の解説が秀逸だ。2023/07/28

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