内容説明
かつて銀河系へ進出した地球人の末裔が宇宙国家連合を形成し宇宙をわがものとしている現在、地球は孤立し、宇宙進出もままならない。その地球に、宇宙国家連合の指導者格である惑星オーロラが助けを求めてきた。人間そっくりのヒューマンフォーム・ロボットの破壊事件がおこり、その捜査を刑事ベイリに依頼してきたのだ。ただ一人の容疑者はそのロボットの生みの親ファストルフ博士。ベイリはさっそくオーロラへ赴くが。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミネ吉
10
アシモフのロボットシリーズ長編3作目。今回の舞台はダニールの故郷、オーロラ。まだ上巻のみだが、今のところこのシリーズの中では一番読みやすいと感じる。「鋼鉄都市」の地球、「はだかの太陽」のソラリアは、人類の病的な部分を突き詰めたような世界で、読んでいると陰鬱な気持ちになるのだが、オーロラはもう少し現代の地球に近いものを感じるからかもしれない。主人公の地球人ベイリが、本物の卵で作った目玉焼きを生まれて初めて見て、黄身と白身が分かれていることに感銘を受けているシーンが妙に印象に残った。下巻も楽しみ。2023/10/07
k16
8
20120719読了。 ロボット刑事もの3作目(前半)。 舞台は遂にオーロラでのロボット殺害へと。 続く。 しかし前作はドラマ化されてるという設定がいい。2012/07/19
ホームズ
8
今回はオーロラでの事件解決の為呼びつけられるベイリ(笑)ダニールとの再会や新しい仲間ジスカルド登場(笑)オーロラの社会を説明するのには仕方ないけど少し長い説明的なセリフが多いかな~(笑)後半被害者(?)の所有者の登場から容疑者や関係者の登場が多くなって面白くなってきた(笑)しかしロボット1人の殺人が地球の運命にかかわるとは(笑)2010/08/30
roughfractus02
6
SFミステリシリーズ3作目の本書だが、前作から26年を経て作品内と別の問題の解決が課せされたようだ。まず物語内でのオーロラなる宇宙国家で起こるロボット殺しの犯人探しという問題があり、さらに著者が別に書き続けるファウンデーション・シリーズと本シリーズの統合という問題がある。事件が宇宙植民の是非に関わり、解決に奔走して証言を得るベイリの推理が時々植民についての議論になるのは、作品外の問題が作用するからだろうか?そう考える読者はもはやミステリを解く探偵ではなく、著者の諸著作を跨ぐ「心理歴史学」者になりつつある。2018/11/24
やまだん
5
60点。1983年に刊行された、イライジャ・ベイリが主人公のロボット・テーマのSFミステリ第3弾。ファウンデーションシリーズとロボット・テーマの作品をつなぐ位置付けとなっている。前作、「はだかの太陽」から26年後に執筆された作品だが、ベイリがソラリアでの事件を解決してから2年後という設定。地球が宇宙から孤立し、宇宙進出もままならない状況の中、ベイリが、オーロラに呼び出される。「鋼鉄都市」にも出てきた、ファストルフ博士が、ヒューマンフォーム型ロボット破壊事件の容疑者となっており、この事件の捜査を行う。2025/01/26