ハヤカワ文庫<br> 百万年の船〈1〉

ハヤカワ文庫
百万年の船〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150110390
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

紀元前のフェニキアで生まれたハンノは不老不死だった。だが、それを普通人に知られると、魔法使いと恐れられ、悪魔と取り引きしたと忌みきらわれる。そこで、やむなくその正体をひたかくしにして生きていく。世界各地でごくわずかな確率で生まれているはずの同じ不老不死の仲間にいつか出会えると信じて…。3000年以上の歴史を生きる不老不死の人々波瀾万丈の冒険を巨匠アンダースンが描く傑作、堂々の開幕。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

miri

42
決して老化しない身体を持つが、特別な能力はなく、致死的な怪我では死亡する。そうした不死人の物語。紀元前のフェニキアで生まれ(古代の地中海東岸)、放浪にふさわしい職業につき、名前を変え、仲間を探す。周囲とタイムスケールが違うことが不信感と憎悪を生み孤独に苛まれる人生だが、思いの外淡々と生きているように思える。長く生きている人間の意識の有り様は想像しがたい。読み手は中途から生き場所を変え、人生を変える生活を覗き見しているような面白さがある。現代に近づくにつれ、彼の人生はどうなっていくのか。2025/02/09

ニミッツクラス

25
93年(平成5年)の税抜505円の青背初版。米89年の底本を本邦で3分冊した初巻。不老不死…老化や病気では死なないが、即死案件な障害や溺死、餓死などでは死ぬ。時間旅行者ではないから予知での収入は見込めず、世情すら先見できない。身分も証明できない。不老不死体質に生まれたらどうやって隠密裏に生きていくのか…意外と難題なのだ。主人公の一人ハンノは少なくとも紀元前300年から記憶がある。本書は7部の章立てで、西暦1072年までのある特定の時代を活写。“不死仲間”を見出したり別れたり…歴史の勉強になる。★★★★☆☆2023/03/08

JACK

18
○ 紀元前のフェニキアで生まれたハンノは不老不死だった。青年の姿のまま歳を取らず、見た目は若いまま。病気にはかからず、怪我の治りは速い。しかし、大きな怪我をすれば死ぬ。同じところで長い間暮らしていると歳を取らないことを気味悪がられ、悪魔と取引をしたと迫害され、命を狙われる事もある。結婚しても妻も子供も孫も先に死んでゆく。彼は住むところを転々としながら世界各地でごく僅かな確率で生まれているはずの同類を探し続けるのだった。物語がなかなか動かず、まだ面白さはわからない。2巻、3巻に期待。2020/02/07

鐵太郎

12
あなたの周りに、何年たっても若々しく、容姿が変わらない人はいないだろうか? あなたの周りに、いつどこで生まれたのかわからないけれど、いつの間にかそこにいる隣人がいないだろうか? あなたの周りに、老いた姿で歩きまわっていて、ある日突然姿を消した人はいないだろうか? その人は、普通に生まれて老いて、普通に寿命を迎えて死んでいく人だったのだろうか。そんな人々がいる世界の物語。1/32011/07/16

よしあ

6
わくわくするSFです。最初はエピソードの積み重ねで、古い時代から語られ、現在に近づき、そして未来へ。 この不死人の設定は、そのまま「ポーの一族」のバンパネラに重なるなあ、と秘かに楽しんで読んでます。若いままだが不死ではない。賢人でもなく、人間味を持ち続け、保身を図りつつ長い生を生きる。百万年の船は驚くべき展開があるが、さて。 まずは独立した短編で、様々な人を紹介。歴史の本筋には関わらないが、その時点のおかれた一般の人の、状況や生活をよく調べているなあ。2022/10/11

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