内容説明
黄色い煉瓦のオズの国、『ガリバー旅行記』の小人国…。多元宇宙を旅するぼくらが見たものは、かつて親しんだ小説そのままの世界だった。本の中の世界はみんな宇宙のどこかに実在していたのだ。だが、どんな宇宙に逃れても、邪悪な異星人は執拗にぼくらを追ってくる。ぼくら一家に安住の地はないのか?そんな時、ぼくらの前に思いもよらぬ人物が現われた…。巨匠が最大の情熱を傾けて描き上げた力作長編、ここに完結。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
個人の自由を探究する作者は作品に自由を拡張しようと多世界宇宙を設けたのか?本巻で主人公達は、前作『愛に時間を』の主人公と邂逅し、後者にその役割を引き渡したかのようだ。が、そんな喜劇的展開の中で忘れられたかのような黒帽子ら敵が現れて混沌のような最後が訪れると、ヨハネの黙示録の獣の数字(666)から発想された6の6乗の6乗の世界があるとする本書が、あらゆる時代の人々の想像力で増殖し続けている世界全体の一部を指すように思えてくる。ラテン語facereからfactとfictionが生まれたことが思い起こされる。2023/12/03
豆桃
0
3巻も費やしておいて大きな進展のないまま、俺たちの戦いはこれからだ!なエンディング。駄作だとは思うけど、それでも読んでる最中は面白かったのがさすがハインライン。彼の偏愛がたっぷり詰まってるところも嫌いになれない2013/10/29
2兵
0
ついにラザルス・ロング登場。「愛に時間を」を読んでいたので、母親への言及があるだけでグッと来る。のだが、後半はもはや彼が主役。というか、そもそも話が途中から支離滅裂だし、もはや誰と誰が会話しているのか全く頭に入ってこない。訳が読み難いのもあるのかもしれないが、解説でも触れられている様に、ハインラインのワースト・ワンと言って良いかもしれない(苦笑)。過去のハインライン作品の登場人物が次から次へと(名前だけ)出てくるので、読んでいればいるほど楽しめる。というより、読んでないと着いていけない。いやはや。2019/03/08