内容説明
原因不明の疫病がはやり、療法師ノ長の命により、パーン全土に検疫体制が敷かれた。フォート城砦ノ太守の娘ネリルカは、ルアサの市に行った母と妹たちを、この疫病で失ってしまった。すぐに後妻を娶った彼女の父トロカンプ太守は、病人を収容所に押しこめ、ろくな援助も与えない。ネリルカはそんな父親に反発し、看護の腕をいかして自分の人生を切り開いていこうと考えるのだった…。『竜の貴婦人』のサイド・ストーリイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しまっち。
5
やっぱりまたモレタの悲劇のところで泣けちゃったよ。「竜の貴婦人」後半で急に存在感を示したリルことネリルカ目線の個人的記録といった感じのサイドストーリー。なるほど、そういうわけでアレッサンのもとにいたわけね、と納得でき、またネリルカ目線で語られる事で「竜の貴婦人」をより深く理解できる。そしてアレッサンがたび重なる深い悲しみから徐々に癒されていく様子がわかってホッとした気持ち。いろいろな愛情があるよね。それにしても最後20Pくらいで「ネルリカ」じゃなかった事に気付いてビックリしたのであった。2014/10/11
ゆの字
4
内容とは関係ないけど、ずっとネルリカだと思ってた。2007/09/08
北摂
2
外伝の外伝だよね。。。 こういうのも新鮮に感じていいかも。 それにしても、「ネルリカ」と言いたくなるな・・・2013/01/31
コユキ キミ
1
竜の貴婦人のサイドストーリー、竜の貴婦人が自分には、強烈な印象を残した作品だったので、気になっていた。やはり、竜の貴婦人のストーリーが支配している感じがする。単独で読むのは厳しいかも。。。ネリルカのサクセスストーリとして楽しんだ。私もネルリカだと思っていました。。2016/09/25
更紗姫
1
「自分は美しくないから」と卑下しながら、一方では生まれの良さを常に忘れないプライドの高さ。どうも好きになれない主人公だが、働き者である事は確か。自らの有能ぶりで逆境を切り拓く。モレタを失ったアレッサンは、こういった全っ然違うタイプとでなきゃ新しい一歩は踏み出せなかったのかも。最後の一節には、苦渋の時を経て主婦の座に落ち着いたネリルカの満足感が窺える。尊大なおば様になりそうな気配。まあ、読み直す事の多い作品ですが。