内容説明
粒子加速研究所の大惨事が、地球を壊滅させ、ひとりの男を時間の乱流へと押し流した。だが男の意志は強かった。彼はおのれの足で失われた“故郷”へと歩いて帰るべく、遥かなる旅に出立したのだ―。「故郷へ歩いた男」ほか、ティプトリーの華麗なるキャリアの出発点である「セールスマンの誕生」、最高傑作と名高い「そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた」など、全15篇を収録するSFファン待望の第一短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
31
ティプトリー最初の短編集。再読。 「そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた」 人間の拡大衝動と本能。短いながらに切れる、代表作のひとつ。 「故郷へ歩いた男」一番好きな短編。彼方に飛ばされ、なんとか故郷へ帰ろうとする男、ジョン。突出した出来、完成度。 「スイミング・プールが干上がるころ待ってるぜ」コメディタッチの風刺、きつい。 「ハドソン・ベイ毛布よ永遠に」軽いコメディ、ビターエンド。「ドアたちがあいさつする男」ファンタジー、よい空気感。 駆け出しの頃で玉石混交ではある。が玉の光り具合がえぐい。2025/11/28
宇宙猫
16
★★★★★
やすお
14
初期の作品を収めた短編集。最近、分かりやすいSF作品しか読んでいないせいか、とても難解だった。物語の背景というか、その世界に浸りたいのだが、拒まれているかのような感じがした。ジュンク堂にて復刻されたときに購入して今まで積読だったのを読んだのですが、まだまだ私は未熟者だったようです。数年後に読み返したら印象は変わるのだろうか、それとも私との相性が悪いだけなのか。読んだ印象は悪くないので、私の読解力を鍛えるしかないか。2024/03/18
亮人
14
ティプトリー作品は数冊しか読んでないけど、なんか小難しくて結局頭に残ってるのって「たったひとつの冴えたやりかた」だけだった。しかし本書で見識を改めた。殊に「ビームしておくれ、ふるさとへ」。これは記憶に残る名品だと思う。2009/05/06
ふりや
13
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの第一短編集。伊藤典夫訳の乾いた文体で淡々と繰り広げられるSF世界は読んでいて気持ちよく、クセになります。内容はバラエティに富んでいますが、中には物語の意図を理解するのがかなり難しい作品もあったりして、なかなか一筋縄ではいかない作品集でもあります。印象に残ったのは時間SFの傑作と言える『故郷へ歩いた男』宇宙への憧れを描いた切ない『ビームしておくれ、ふるさとへ』ドタバタコメディ風の連作『愛しのママよ帰れ』『ピューパはなんでも知っている』など、読み応えのある一冊でした。2019/12/05
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