内容説明
ロサンジェルスの暗黒街に君臨する悪徳外科医ドクター・アダー。その華麗なメスから生まれる奇抜で醜悪な肉体改変が、この街を肉欲と悪徳の都に変えた!一方アダーを敵視する一派も勢力を拡大している。そしていま、アダーにひとりの客が訪れた―アメゾナの養鶏場で働く青年リミットが携えてきた伝説のハイテク武器は、この戦いの様相を一変させるが…SF史上最も危険な傑作登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
62
P・K・ディックの後継者として登場したジーター。パンクな感性をディストピアに持ち込む感覚は、ヌメヌメとした空気でもあり、ディックとは違う気がした。もっと現代(今)にマッチングした作家だった。人体改造(甲殻とは真逆な)や闇堕ちする世界が肌をヒリヒリさせてくる。2021/05/03
GaGa
50
いわゆる「サイバーパンク」なるものはSF文学においてのジャンクフードと考えている私にとって、この作品はその資質を十分満たすものだったと思う。褒め称えるほどの傑作でもなし、けなすほどの凡作でもない。ただ、読み物としてはそこそこ面白い。「解説では説教臭くて偽善的な作品の極北」とあるが、それは言い過ぎ。2012/02/11
催涙雨
33
バイオレンスでグロテスクなビジュアル感に包まれていながら精緻な世界観や透徹したストーリーラインのおかげでそういったイメージほどごちゃごちゃした感じがなく、意外と読みやすくて面白い印象の作品だった。要点を抑えて説明できるタイプの作品ではないのだけど、精神世界や電脳世界へのダイブ、アダーの四肢切断手術、欠損に対する深層心理の欲望を引き出す薬物、下水ふわふわ、閃光グラヴ…こういった舞台装置の配置と物語の運び方が上手くて読んでいて間延びする感じがまったくないところも楽しい。装画のグラサンは…誰なのだろう。アダー?2020/09/23
ニミッツクラス
30
90年(平成2年)の税抜563円の青背初版。サンリオSFみたいなカバー。ブレランの2と3、スタトレDS9の4が著者初読みだったから、正当な未来SFを書く中堅作家との印象が強かった。これらの作品はシェアワールドの様に確固たる背景があり、構成に弾力が無い。比して本書は確かに出版不可な時流の波に飲まれる要素が突出して至極エグい。ヴァーリイの気の向くままに男から女への性転換でさえ、春風のように爽やかに思える。これで超能力出したら全ての近未来作品を凌駕するよ(代わりに超兵器だした~)。序文はディック。★★★★☆☆2021/09/16
こら
22
結末どうだったっけ?アダーのすごい人体改造と、田舎のあんちゃんのすごい武器しか覚えてません(>_<)!2013/09/02