感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
7
クラーク『楽園の泉』と同じ宇宙エレベーターというアイデアを盛り込み、同年に出版された作品。台湾橋建設という巨大プロジェクトを成功させたロブ・マーリンがロケット王レグロからさらに壮大な宇宙エレベーター建設の話を持ち掛けられる。その話を縦糸に、ロブの出生にまつわる謎の解明を横糸にして展開していくハードSF。とはいえ、ハード面よりもロブの両親の死やマッドサイエンティストといってもいいモレルの狂気など、どちらかというとミステリアスでサスペンスフルなムードが漂う作品。マッカンドルーものと同じ未来史のようだ。2024/11/06
goldius
2
クラークの方は軌道エレベータを造るだけの話であるが、本書は、造った後に、軌道エレベータを造るテクノロジーがあれば、こんな凄いことも可能になる!と、ラストでホーガンのような、見事な論理の飛躍をする。2004/02/20
quabex
2
クラーク『楽園の泉』と同じく軌道エレベーターを扱いながら、まったく異なる雰囲気で書かれた小説。全長10万5000kmのビーンストークが地球に近づき、接地するくだりはわくわくしながら読んだ。2008/06/15
マンハッタン距離
1
[3.5] 軌道エレベーターの建設と、主人公の両親の死の謎という2つのテーマが並行して進む。2つのテーマの結びつきに蓋然性がない。軌道エレベータのアイデアは流石に古びているので、主人公の両親の死の謎解きであるミステリ要素に注目して読んだが、冒頭の両親の死から、謎の手掛かりが出てくるまでかなり離れているし、陰謀を匂わせる会話のせいで、トリックがバレてしまうという欠陥がある。2017/05/09
鐵太郎
1
A・C・クラークの古典「楽園の泉」と同じく軌道エレベータのお話。バッティングする相手が大物過ぎたか?w 技術者を愛し、技術を正面に立てるクラークに対し、シェフィールドは自分の手でものを設計し、自分の手でものを作る職人と言ってもいい人々をメインに据えます。クラークとは、似ているようで違う。巨大な「ビーンストーク」が空の彼方から雲を割って地上に姿を現す場面は、SF界の歴史に残るでしょう。あり得るのかどうかわかりませんが、壮大な光景です。同じ登場人物で続編が書かれるような終わり方でした。2007/06/08