感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
亮人
25
《シマックの世界》と銘打たれたシマックの作品集の第1巻。これは良い雰囲気の短篇集です!宇宙戦争、異世界への扉、ロボット、超能力、と豊富なSFガジェットを駆使しつつも、凶悪なキャラクタは一人も出てこず古き善きアメリカ田舎の牧歌的で素朴なストーリイたちで、読んでいて安心できる。SF初心者にこそオススメしたい一冊だなあ。特にヒューゴー賞受賞の表題作は、人類の友人である犬に対する愛情も溢れており、冒険心が強いアメリカ人の気質も心に響いた。すべてが心地良い。2014/05/21
スターライト
9
標題作ほか全6篇を収録。冒頭の「名誉ある敗北」は何気ないチェスのやりとりが最後に聞いてくる佳作。標題作は『中継ステーション』を思わせるヒューゴー賞受賞作。ロボットに振り回される「ルル」、ある惑星で発見したサイロに似た建築物をめぐる「ジャック・ポット」も悪くないが、個人的には、人々の喜怒哀楽がじかに伝わってきて癒されるアメリカののどかな田舎で起こる騒動を描いた「隣人」がよかった。なかなかこの村のような地域(または組織や集団)はないが、だからこそ魅力を覚えるのだろう。もっとシマック作品を読みたくなった。2017/01/25
スズツキ
9
さて久々にSFとミステリを読みましょうかねー、と手を付けた某長編が合わなかったので、昔懐かし心地良しのシマックが先陣を切ることに。やっぱりね、シマックは良いものです。2014/12/01
ニミッツクラス
4
81年の初版(380円)を読んだ。本国ペーパーバック版短編集2分冊の前半の邦訳版。同年に後半「愚者の聖戦」も刊行されており、共に〈シマックの世界〉となる。本書には54-58年の6編を収録してある。表題作は59年に“中編部門”でヒューゴー賞に輝いているが、本書のカバーには、そのような宣伝文句は一切書かれていない(オビにはあったのかな)。本書では様々なSFネタを披露する。ペット込みの微妙に締まりのない日常や業務譚に、“してやったり”の読後感を覚えるオチが、妙に田舎的で面白い。シマックは良いなぁ。★★★★☆☆2015/03/12
ビター
1
早川さんは何故これを絶版にしてるんだ……解説にある通り、土着的なものこそが、国際的に受け入れられるのだろう。2013/01/27
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