感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
20
80年の560円の初版を読んだ。米本国78年の第一短編集で、表題作を含む9編を収録。現時点では後発15年の創元版「汝、コンピューターの夢」に6編収録、他の短編集に2編収録、よって本書でしか読めないのは「火星の王の館にて」となる(違ってたらゴメン)。ほとんど“八世界”物だけど、未来史的なだけで連作ではないので単独で読める。前述の「火星の王…」は原題直訳で、ブラッドベリの「火星年代記」を想起させるも、クラーク寄りの火星探検隊の遭難にヴァーリイ風味のサバイバルの顛末を上手く加味した。表題作も良い。★★★★★☆2019/10/11
アルビレオ@海峡の街
12
表題作の「残像」について。全ての人に読んでもらいたい。反面、私の心の中にしまい込んで誰にも見せたくない。そんな大切な作品に出会えた気がします。感想を書きたいけど文才もないし、今後読む人に先入観を与えたくないのでやめます。表題作以外も全て良作で、短篇集としては私の中で殿堂入りです。カードの「無伴奏ソナタ」超えました。2011/07/29
shouyi.
6
與那覇潤さんに影響を与えた本。身体と言語を考える時 表題作は恰好の物語。盲ろうのコミュニティで身体だけで関係性を保つということはどういう事なのか。SFの短編集だけど現在を考えさせられる作品集。2022/07/18
東森久利斗
3
どこか懐かしい感じがするモノクロームの未来風景に彩られたアイデアと創造の世界、時代の転換期、1970年代、自由と混迷の世相を反映した人類の未来と行く末、可能性を予感させるようなプロットの数々。タペストリーのように丹念かつ美しく丁寧に織り込まれた物語。紙上に綴られ、伝承のように語られる。タイトル作品「残像」がベスト。2021/09/17
王天上
3
何となくホンワカムードにつつまれた作品集。コンピューター内に取り残される作品あたりがやはり好み。2017/05/10