感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
9
3対1の人間関係は疑惑を生んで真相を追うサスペンスとなり、1対1では愛着が生まれて外部が干渉するまで続く。が、それ以上の数では階層が生じ、人間を機械同様に扱うトップダウン体制を敷いて技術開発を促進しつつ外宇宙に向かう。一方、機械と人間の関係では、データが十分なら予測機械に人間の未来が支配され、不十分ならデータの蓄積まで10兆年待たねばならない。が、9つの短編が示唆するのは、言語を持つ人間が1人になれないのに対し、人工知能は人類絶滅後に自律可能な点だ。作者はこの自律を「光あれ」と命ずる唯一神の誕生と捉える。2023/07/25
月をみるもの
7
「最後の質問」を読みたくてアマゾンでポチったのだが、ほかの8編も粒揃い。ブラウンにも似たような話があったような気がするけど、こっちのがずっとサイエンスの香りがする>「最後の質問」 :https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E7%B5%82%E7%84%892016/07/30
aki
3
すっきりしない読後感の「プロフェッション」に始まり、きわめてすっきりするものの、「生きていけんのかなあ」と、その後が心配になる「停滞空間」で終わる充実の短編集。「やがて開ける夜」は著者が得意とするSFミステリ。巨大コンピュータ「マルチヴァク」を主人公とする連作「世界のあらゆる悩み」「最後の質問」は気宇壮大。「最後の質問」の最後のシーンを、ある程度、予期できるのは、そういう作品をいっぱい読んできたからかな。アシモフが小松左京になっちゃったよ。2021/05/24
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
ほのぼの上品な登場人物、非常に印象深い短編が9つも詰まっている。アシモフ作品には、男の覚悟の中途半端さがよく出てくるなぁ。■ プロフェッション…創造力の見分け方■ナンバー計画…計算力■やがて明ける夜…星の生活に慣れすぎた■ヒルダぬきでマーズポートに…息抜き■やさしいハゲタカ…宇宙人の正義、イメージの力■世界のあらゆる悩み…マルチヴァク■ZをSに…風が吹くと桶屋が■最後の質問…エントロピイを逆転させる方法を考えるマルチヴァクと宇宙の最後■停滞空間…4万年前から送られてきたネアンデルタール人の子供と看護師の愛2023/10/24
Erica
2
この短編集はわりといいぞ、全体的に愉快なディストピア。読むとマルチヴァクがかわいくなる。 表題の作品『停滞空間』は、読んだ当初は「わ~ドラマティック」てなもんでしたが不思議と後からじわじわ効いてくる。その後を色々想像してしまうSFっていいSFじゃない? 2018/04/18
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- 和書
- かえるさんのおいけ