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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
66
SFの古典的な名作。宇宙船ビーグル号で宇宙を探検するお話。その昔、この本の存在を知ったのはあの「ダーティー・ペア」シリーズを読んだから。彼女達のペット?である「ムギ」はこの中に登場する。機会があれば再読したい。
読書ニスタ
39
SF古典として、エイリアンやスタートレック、スターウォーズへの絶大な影響は明らか。地球外生物の視点や、個別分野の高度化と反比例するかのような人間組織の無能さ、ヒエラルキーや感情を基礎とする政治すらも無能とし、統括する科学分野が必要と問う著者の主張は面白い。 偶然にも部下に情報総合学科卒がいるが、物事の優先順位が読めず、片輪壊れたチョロQか、ドーナッツみたい。 選択肢を増やしつつ、急所の一点の見極めに尽きる。上位層から見れば、私も50歩100歩、どうやって視点を上げていくかが課題になる。2020/02/16
ニミッツクラス
20
95年の税込560円の9版(初版78年360円)。早川文庫版の本書は5~7刷の間に新装され、絵は同じだが邦題と原題のフォントが小さくなった。元々あった4短編を、情報総合学のグローヴナーを主人公に据える事により長編としている。有名なクァール話は39年(昭和14年)の作品で、今でも問題なく読める。男性ばかり1000人乗りの恒星船が球形船である事、真空管や集積回路などへの言及がない事、単に“光線銃”などと安直な表現をしない事、概ね恒星間の出来事である事などによりレトロさを感じさせない。航宙好き必読。★★★★☆☆2019/08/16
kokada_jnet
20
浅倉久志訳のA.E.ヴァン・ヴォクトって、ある意味最強の世界文学。もともとは『スラン』『宇宙船ビーグル号』で世界SF全集に収録だったのね。2016/01/13
更紗姫
19
一流の科学者が束になっても敵わない敵を、情報総合学者が一人で片づけちゃう。〈スペシャリストの限界〉と〈広い視野の重要性〉です。解決に大いに寄与する「循環的史観」を唱える考古学者が日本人なのがまた、嬉しいなぁ。子供の頃は、船内の政治的駆け引きの描写が何とも退屈だったのに、今はリアリティを与えるスパイスだ、と思う。私も大人になったものです。何度読んでも、30階建て1000人乗りの巨大な球体が宇宙空間を光速ですっ飛んで行くのを想像すると、クスクス笑ってしまう。ハードでありながら〈長閑なSF〉というイメージです。2015/02/06