感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
291
分類するならばSFなのだが、宇宙空間ではなく地球のそれもイギリスの小さな村が物語の舞台。インヴェーダーものということになるだろうか。全体としてもSF的な要素は薄く、むしろ危機に際して村の人々がどのような対応を見せていくのかこそが小説の本領。邦訳題はまるでオカルト小説みたいだが、原題は"The Midwich cuckoos"(ミドウイッチ村のカッコーたち)。原題のメタファーが小説の本質を語っているだろう。総じて緻密に構成されているのだが、結末はあまりにも予想通りであった。最後に真の脅威が欲しかったところ。2017/07/12
遥かなる想い
219
侵略SFの名作らしいが、不気味な物語である。 ある日突然 異民族により、 17歳から 45歳までの女性全員が妊娠する… 女性たちの、村の 戸惑いが 不穏に 読者に伝わり、読み進めていると、正直怖い …村の閉塞感と 静かに進む侵略の恐怖… 最後はあっけない印象だったが、静かな 恐怖が印象的な作品だった。 2017/08/14
まふ
115
「トリフィド時代」の作者による地球侵略譚。ある夜、突然村が外界から遮断され、連絡も交通も死んだように機能しなくなる。その間に宇宙の侵略者が16歳~45歳の妊娠可能女性を麻酔させて妊娠させたのである。やがて次々に赤ん坊が生まれる。外見は人間と変わらないが眼だけ金色なのだ。その子供たちが9歳まで成長するが次第に村の秩序を乱す行動が目立つようになる…。原題は「ミドウィッチ(村)のカッコー」であり、「人間に托卵した宇宙人との戦い」という「アッと驚く」ジョン・ウィンダムらしい世界であった。 G661/1000。2024/12/06
NAO
76
9月26日月曜の夜、ロンドンにほど近いミドウィッチ村に未確認飛行物体が着陸したことから始まる、異常事態。二度繰り返される通常の生活に戻ったと見せかけて実はそれはさらなる恐怖への序章でしかなかったという書き方が、なんとも効果的だ。ほとんどの人が親子の愛情は絶対だと思っている中で、こう言った裏切られ方をするのは、正直かなり辛い。最後は、もうそうなるしかないだろうという予想通りの終わり方。インパクトの強い表紙だが、この表紙のせいでかなり損をしているのではないかと思う。2018/09/14
カムイ
47
この作品、読む前はホラーだと思っていました😅侵略もののSFでした今の時代に読むと少し物足りないと思ってしまうが村人の心理描写は巧みであるしキリスト教の国であるので堕胎する考えはまず考えないのは悲劇であるしまたは女性たちが楽観的であるのも恐ろしい、侵略者の方法が秀逸で武器を使わずある意味平和的な侵略である、作中にカッコウの托卵がありましたが育てる親はまるで違う子供を育てるのはブラックである。この作品はガーディアン図書の一冊らしい2024/07/14