感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふりや
11
十億年もの間、地球の唯一の都市であるとされていた「ダイアスパー」まずはこの都市や人類の近未来的な描写に非常にワクワクさせられます。そしてこの都市の在り方に疑問を抱き冒険の旅へと出る「ユニーク」と呼ばれるアルヴィン。「ダイアスパー」は本当に地球唯一の都市なのか?外はどうなっているのか?そして宇宙は?冒険譚でありながら思索的、哲学的な側面もある作品です。後半はどんどんスケールが大きくなっていき、タイトルの通り「都市と星」の謎に辿り着きます。クラークは『幼年期の終り』以来2冊目ですが、とても楽しめました。2020/04/25
東森久利斗
4
壮大で無限、終わりのない悠久の時を刻み続け過去と未来が交錯する宇宙、あまたの星、滅びゆく都市、残された街の記憶、無の世界に息づく生命の源、境界のない現実と仮想、夢、夢、夢、…。「進撃の巨人」の原点、インスパイアされたということだが、まったく感じ取れなかった。2018/03/14
kinka
4
古書市で旧版が安かったから買ったんだけど、日焼けとぎゅうぎゅうの文字組みに苦戦した。内容は思索的で、単なる幼い憧れや冒険心だけで終わらないもの。静謐からの逸脱、帰還からの未来へとつながる話の流れも、確かな力量を感じさせる。スペースオペラ式の冒険につい疑問符をつけたくなるチキンな私でも納得できる、人類のありようと、未来だった。クラーク作品の中でもかなり好きだ。けちらず新訳バージョンで手に入れても後悔しなかっただろうな。2014/07/08
ist
4
50年以上前に書かれた物語。 10億年後の地球を舞台にしていて、かつて思い描いていた未来の世界そのままの超未来都市が そこにはあり、どんなユートピアかと。その描写が緻密で息をのむ。 ユニークである主人公アルヴィンが都市の外には何があるのか、と好奇心を追及し 外世界の探検に旅立っていく。 想像だにできない遥か未来の話だが、動く歩道や映像を映す壁、セントラルコンピュータの描写など 現実に発明されているものもあり、感慨深い。2009/06/15
aki
3
60年ぶりに再読。60年前は、えらく感動したが、今読むとアラが目立つなあ。各エピソードがバラバラで統合性がないし、小説としての完成度は、さほど高くない。ご都合主義もスピード感があれば目をつむれるけどスピード感もない。『銀河帝国の崩壊』のほうがマシだったか。ただし、あまたのSF作品に多数の素材・ヒントを提供してきたことは事実。「七つの太陽」「黒い太陽」は小松「結晶星団」だし、シャルミレインはホーガンのアニヒレーター(『星を継ぐもの』)だ(実際に◯を破壊した)。冒頭に出た女子と結ばれてもよかったんちゃうの。2024/10/06




