感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スターライト
5
”田園作家”などと称され『都市』『中継ステーション』で有名なあのシマックが、まさかスペースオペラを書いていたとは!宇宙の彼方からの謎の信号を傍受したゲイリーたちは、人類より進化した種族”エンジニア”から、別の宇宙との衝突を回避してほしいと依頼される。冥王星近傍で発見された千年前の天才少女とともに宇宙を救う大活劇!まさにスペースオペラの王道を往く設定だが、終盤、登場人物たちが故郷を思う描写やラストの「とうとう家に帰れるんだね」の言葉には、シマックらしさが伝わってくる。2025/01/13
ニミッツクラス
3
75年の初版(320円)を読んだ。カバーの中央で仁王立ちしているのは、原題にもある“エンジニア”だ。短編に滲んでいるようなシマックの土着風味は無く、都市への執着が幾分著者らしいが、至って普通のスペオペである。雑誌掲載が39年の処女長編で、年代のせいか本文中で使用している諸元に多々突っ込み処があるのはご愛嬌。しかし本書のネタはすごいの一言。全宇宙的厄災が迫る中で、異星人同士の目先の覇権争いにも巻き込まれる。人類の出自にも触れるが、地球へ帰還してもこの冒険譚を理解してもらえないだろうなぁ。★★★☆☆☆2015/04/09
1977年から
0
1978年
aki
0
カール・セーガン『ファースト・コンタクト』、小松左京『虚無回廊』など、いわゆる「呼び掛け」型テーマの古典。多数の宇宙種族が集まる星間会議、コミュニケーションできない敵対種族など、そちこちで『虚無回廊』を連想した(もちろん、『虚無回廊』のほうが、はるかに洗練されているし、破綻もないが。小松先生、あと一踏ん張りお願いします)。純然たるスペース・オペラだが、長命なロボットが登場するあたり、後の『都市』を連想させる個所もある。地球最後の人間に会いにいくシーンで「ホムンよ、故郷を見よ」を思い出した。2010/09/10
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